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「いじめと法」入門~法律は、いじめに対する措置をどのように定めているか~
永田 憲史
著
発行年月 |
2025年10月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
21p,239p |
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大きさ |
21cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/教育学/教育心理学 |
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ISBN |
9784873548012 |
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商品コード |
1041296916 |
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NDC分類 |
371.42 |
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本の性格 |
実務向け |
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新刊案内掲載月 |
2025年11月1週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1041296916 |
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著者紹介
永田 憲史(著者):1999年 京都大学法学部卒業
2001年 京都大学大学院法学研究科民刑事法専攻修士課程修了
日本学術振興会特別研究員(DC1)
2004年 日本学術振興会特別研究員(DC1)任期満了退職
2005年 京都大学大学院法学研究科民刑事法専攻博士課程研究指導認定退学
2005年 関西大学法学部専任講師
2008年 関西大学法学部准教授
2013年 日本メディカル福祉専門学校社会福祉士科一般通信課程卒業
2015年 関西大学法学部教授 (現在に至る)
1998年 司法試験合格
著書
『死刑選択基準の研究』(関西大学出版部、2010)
『 GHQ文書が語る日本の死刑執行―公文書から迫る絞首刑の実態―』(現代人文社、2013)
『逐条解説「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」』(関西大学出版部、2023)
『いじめ防止対策推進法の重大事態の研究』(関西大学出版部、2024)ほか
内容
本書は、いじめ防止対策推進法23条以下が定める「いじめに対する措置」について詳しく紹介し、解説するものです。
平成25年(2013年)に制定されたいじめ防止対策推進法は、「いじめ」を定義し(同法2条1項)、これを禁止するとともに(同法4条)、発生したいじめに対して、いじめに対する措置(同法23条以下)という効果的な手段を用意した点で画期的なものです。
いじめに対する措置として、同法23条は、①いじめの相談を受けた場合の対応(同条1項)、②いじめの通報を受けた場合にとるべき学校の対応(同条2項)、③いじめを確認した場合の学校の対応(同条3項)、④被害児童生徒やその他の児童生徒が安心して教育を受けられるようにするための学校の対応(同条4項)、⑤いじめの事案に係る情報を被害児童生徒の保護者と加害児童生徒の保護者と共有する学校の対応(同条5項)、⑥いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認める場合の学校の対応(同条6項)について規定しています。また、④の規定に関連して、同法25条が加害児童生徒に対する懲戒について定めるとともに、同法26条が加害児童生徒の保護者に対する出席停止命令等の制度の適切な運用について定めています。
これらの規定が遵守されれば、いじめ被害の深刻化・複雑化を食い止め、学校を誰にとってもより安全安心な場所にすることができるはずです。
しかし、教育現場においては、上記のルールに沿った対応がしばしば行われていません。その結果、少なからぬ被害児童生徒がいじめの被害に苦しみ続け、その学習権が侵害され続けることとなっています。
こうした原因の1つとして、教職員及び教育に関係する専門職の中にいじめ防止対策推進法や関係する指針などのルールを理解していない人が少なくないことが挙げられます。
この問題を解決するためには、いじめ防止対策推進法や関係する指針などのルールを詳しく説明して、理解してもらうことが必要となります。
本書は「入門」と銘打っています。しかし、いじめといじめを取り巻く問題が困難な状況にあることを踏まえて、実際に問題となる点については、専門書でも見受けられないほど深く検討を行い、いじめ防止対策推進法の到達点を示すこととしました。本書によって、「いじめと法」を初めて学ぶ人が基本的な知識を得るだけに留まらず、専門的な知識まで十分に得ることができることを目指しています。
いじめ防止対策推進法には施行規則や施行令がありませんので、これらに基づいて対応することはできません。その代わりに、文部科学大臣が同法11条に基づいて策定したいじめ防止基本方針が本法の解釈及び具体的な運用について詳細に規定しています。
そこで、いじめ防止対策推進法だけでなく、いじめ防止基本方針も紹介することにより、いじめに対する措置がどのように定められているかを明らかにしていきます。