【MeL】表情の科学:歴史と論争,研究の最前線
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内容
目次
第Ⅰ部 イントロダクション 第1章 はじめに 1節 歴史の概略/2節 表情研究プログラム/3節 最小普遍性仮説/4節 今後の動向/5節 各著者による寄稿/6節 本書を読み解くための文献リスト 第2章 過去と向き合う:感情知覚の心理学的研究における顔の歴史 1節 対立する2つの顔:表情をどう捉えるか/2節 黎明期(1890~1930年代):Darwin・その影響・表情研究の誕生/3節 忘れられた日々(1930~1970年代):構成主義の興隆と古典的見解の復興/4節 現代(1980年代~現在):古典的アプローチによる支配と構成主義の再登場/5節 瀬戸際? 第Ⅱ部 大きな論争:表情研究プログラム 第3章 表情 1節 証拠/2節 その他の証拠/3節 結論 第4章 マルチモーダルな感情表現を理解する:基本感情理論の近年の発展 1節 感情表現はマルチモーダルでダイナミックな行動パターンである/2節「基本的な」6つ以上の感情表現がある/3節 感情表現のパターンは感情内でも,個人間,文化間でも変化する/4節 感情表現の神経生理相関を探求する/5節 哺乳類における感情表現の前駆体/6節 感情表現の普遍的認識における勾配/7節 将来の実証的感情表現研究に向けて 第5章 顔面ディスプレイの行動生態学説,あれから25年 1節 行動生態学説の起源は基本感情理論の欠陥にある/2節 いかにしてDarwinによる反射に基づく説明は道を譲ったか,いかにして基本感情理論は行き詰まったか/3節 人間の表情を再解釈する:機能が感情に勝る/4節 基本感情理論は行動生態学説の知見にどう対処したか:拒絶から受容へ/5節 行動生態学説に対する誤解:争点と「感情」の問題/6節 行動生態学説の現状 第6章 表情に対する視野を広げる:基本感情理論を離れて 1節 表出者による顔面動作の生成/2節 観察者による顔面動作の解釈/3節 基本感情理論に救いはあるか?/4節 感情に対する代替のアプローチ 第7章 感情と表情のコヒーレンス:研究の統合 1節 幸福/楽しさ/2節 驚き/3節 嫌悪/4節 悲しみ/5節 怒り/6節 恐れ/7節 すべての感情をまとめたメタ分析/8節 異質性と調整変数/9節 コヒーレンスの低さをどう説明するか 第Ⅲ部 進化 第8章 顔面筋の進化 1節 表情筋の進化/2節 顔がもつ毛と色/3節 共進化的関係/4節 成人における表情のモジュール性と非対称的な使用/5節 発生,先天性欠損,モジュール性,そして進化可能性/6節 結論 第9章 サルのつくる顔 1節 なぜマカクザルなのか?/2節 マカクザルの顔/3節 サルの顔面動作は感情を伝達するのか?/4節 マカクザルの顔面動作と文脈はどのように関連しているのか?/5節 サルに顔面動作の弁別は可能か?/6節 結論 第10章 表情がもつ形態と機能の起源 1節 形態/2節 自己志向的機能/3節 他者志向的機能/4節 結論 第Ⅳ部 未開拓の信号 第11章 笑顔を超えて:顔,感情,社会行動の新たな視点 1節 行動キーボードと意図性の誤り/2節 伝染行動:社会性のルーツ/3節 ミラーニューロンと行動の伝染/4節 人間の独自性:進化による変化への洞察/5節 社会的および言語的抑制:新しいものが古いものを抑制する/6節 結論 第12章 人の涙がもつコミュニケーションおよび社会的機能 1節 ヒトの泣く行為がもつ機能/2節 涙を流して泣くことの個体発生と系統発生における謎/3節 涙を流して泣くことは何を伝えているのか?/4節 私たちが涙を流す理由/5節 涙を誘う要因は1つに統一できるのか?/6節 涙の心理社会的文脈/7節 泣くことの良い効果/8節 結論 第Ⅴ部 神経プロセス 第13章 曖昧な表情に対する神経と行動の反応 1節 表情は,自然に条件づけられた刺激であると考えるのが有用である/2節 恐怖,恐怖表情,ヒト扁桃体/3節 恐怖以外の表情に対する扁桃体反応/4節 恐怖と怒り表情を用いて,予測の曖昧さ解消における扁桃体の役割を実証する/5節 驚き表情を用いて覚醒度から感情価を分離する/6節 表情を用いて扁桃体―前頭前野の相互作用をアセスメントする/7節 扁桃体―前頭前野回路,顔,不安/8節 結論 第14章 不安やうつに関連する脳回路を探るための表情 1節 不安症/2節 うつ病/3節 精神病理学的リスク/4節 結論 第Ⅵ部 個人発達 第15章 乳幼児の自発表情 1節 幼い子どもの恐怖表情/2節 母子相互作用の文脈における子どもたちの感情表出/3節 まとめと結論 第16章 感情認識の発達:段階的分化仮説 1節 多様なスキルや能力の基盤となる感情概念/2節 段階的分化仮説(broad-todifferentiated hypothesis)/3節 感情価ベースから個別感情へと向かう感情概念の発達/4節 結論 第Ⅶ部 社会知覚 第17章 表情知覚に関する社会的視覚論 1節 社会的視覚/2節 表情知覚の複合的性質/3節 機能的同調/4節 結論 第18章 本質的に曖昧:文脈が感情を知覚させることの論拠 1節 現実場面における強度の高い表情がもつ感情価の曖昧さ/2節 強度の高い自発表情がもつ曖昧さ:歴史を厳選して振り返る/3節 ステレオタイプに沿った基本感情の表情がもつ曖昧さ/4節 身体を伴う顔/5節 身体以外の文脈を伴う顔/6節 表情を再考する/7節 結論 第Ⅷ部 評価 第19章 評価駆動の表情が,評価推論をもたらす 1節 評価駆動の表情についての理論/2節 評価駆動の表情に関する証拠/3節 結論 第20章 感情の社会的信号価値:感情表現から読み取る社会的推論における文脈の役割 1節 文脈の種類/2節 感情を認識する2つの方法/3節 感情知覚からの推論/4節 感情知覚の可変性には限界がある/5節 文脈における社会信号のモデル/6節 文脈における表情の可変性と不変性/7節 結論 第Ⅸ部 概念 第21章 表情の解読における身体化シミュレーション 1節 表情の解読において模倣が果たす役割についての行動的証拠/2節 表情模倣の神経基盤/3節 結論 第22章 言語と感情:感情知覚の構成的性質についての仮説 1節 感情知覚のモデル:基本感情理論と心理構成主義/2節 感情知覚の構成的性質についての仮説/3節 結論 第Ⅹ部 社会的相互作用 第23章 顔の動きがもつ対人関係上の効果と機能 1節 顔の動きがもつ機能/2節 視線がもつ対人効果/3節 対人効果を説明する/4節 結論 第24章 自然表情:心理構成主義と語用論 1節 基本感情は一貫した表現をもつのか?/2節 基本表情は実現可能な信号システムを構築するのか?/3節 顔面動作の意味論的解釈/4節 何が自然表情を引き起こすのか/5節 自然表情は何を表出しているのか/6節 結論:自然な顔面動作への回帰 第Ⅺ部 文化 第25章 感情という言語における方言 1節 表示規則と解読規則/2節 実証的証拠/3節 批判的な見解/4節 起源の理論的説明:言語のメタファーを真摯に受け止める/5節 私たちは言語のメタファーから何を得るか?/6節 ギャップを埋める 第26章 先住民社会における表情と感情 1節 なぜ先住民社会なのか?/2節 先住民社会で実施された研究/3節 普遍性仮説に関する証拠の評価/4節 フィールド研究の課題と可能性/5節 次世代への指針 文献 監訳者あとがき 索引
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