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海岸と人間の歴史~生態系・護岸・感染症~

オーリン・H・ピルキー, J・アンドリュー・G・クーパー  著

須田有輔  翻訳
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \3,190(税込)         
発行年月 2020年06月
出版社/提供元
築地書館
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 322p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/理工学/地球科学/地形学
ISBN 9784806716020
商品コード 1031611501
NDC分類 454.7
基本件名 海岸
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2020年08月1週
書評掲載誌 日本経済新聞 2020/08/08
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1031611501

著者紹介

オーリン・H・ピルキー(著者):1934 年生まれ。ニューヨーク・タイムズ紙によって、「アメリカ第一の浜の哲学者」と称されている。デューク大学名誉教授。
『Global Climate Change(地球規模の気候変動)』をはじめ多数の著書があり、本書の後も、『Retreat from a Rising Sea(上昇を続ける海面からの後退)』(2016)、『Sea Level Rise:A Slow Tsunami on America's Shores(海面上昇:米国沿岸を襲う緩やかな津波)』(2019)など海面上昇による影響に警鐘を鳴らす書籍を出版している。一方、『Lessons from the Sand(砂から学ぶ)』(2016)、『The Magic Dolphin(マジック・ドルフィン)』(2018)など、子ども向けの啓発書にも力を注いでいる。
2013 年には、ノースカロライナ州のデューク大学海洋研究所に、彼の名前を冠したオーリン・ピルキー海洋科学・保全遺伝学センターが開設された。ノースカロライナ州、ヒルズボロー在住。
J・アンドリュー・G・クーパー(著者):英国のアルスター大学地理学・環境科学部の教授。南アフリカのクワズール・ナタール大学の名誉教授。
『The World's Beaches(世界の浜)』(2010)や『Pitfalls of Shoreline Stabilization(海岸線安定化の落とし穴)』(2012)など、ピルキーとの共著がある。
世界各地の浜の研究や、海岸線への人の手の不介入を貫く姿勢でよく知られている。北アイルランド、コールレーン在住。
須田有輔(翻訳):1957 年2 月20 日、神奈川県鎌倉市生まれ。
東海大学海洋学部卒業、東京水産大学大学院水産学研究科修士課程修了、東京大学大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)。民間企業勤務を経て、1992 年に水産大学校漁業学科講師に就任。現在、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校校長・同生物生産学科教授。
おもな著書・訳書に、『砂浜海岸の生態学』(共訳・東海大学出版会)、『砂浜海岸の自然と保全』(編著・生物研究社)などがある。
東亜建設工業株式会社在職時に訪れた米国のアウター・バンクスの砂浜に魅せられ、それ以来、砂浜の魚類や底生生物を中心に、砂浜の生態系に関する研究を行っている。NPOなどとともに啓発活動にも取り組んでいる。宮崎海岸侵食対策検討委員会や海辺の生物国勢調査に関する研究会などに委員として参画している。

内容

人は砂浜とともに生きるのか? 砂浜を殺すのか?

地球温暖化による海面上昇で影響を受ける沿岸部の地域社会に警鐘を鳴らすとともに、
世界の砂浜にみられる浜の環境問題
――砂採掘、海岸保全構造物、ごみ、流出油の漂着、車の走行、細菌汚染などを
具体例をあげてわかりやく解説し、
経済活動を優先するのか、自然環境を優先するのか、
理想と現実のはざまで問題を投げかける。
日本の砂浜にも共通する問題であり、
海に囲まれた日本に暮らす人々にとって重要な視点を提起している。
今、世界的に砂浜の価値を見直す機運が広がるなかで、
これからの浜のあり方を考えるうえでの指針となる。

【原著書評より】
私たちは、寝転んだり、のんびりと時間を過ごすのに浜を利用してきた。
しかし、これからもずっと浜がそんな場所であってほしいと望むなら、
私たちは立ち上がり、私たちの声に耳を傾けてもらうべきだろう。
本書は、地球上で最も愛されるべき生態系に関する、たいへん興味深い、新たな情報を発信している。
―――ビル・マッキベン(タイムズ誌で世界最高と称された環境ジャーナリスト)

世界の浜の窮状に関心をもつ人なら誰もが読むべき本である。
海岸工学エンジニア、海岸事業者、デベロッパー、政治家、ビーチフロント資産の所有者に、
勇敢にも真正面から立ち向かい、彼らが世界の浜に及ぼす負の影響を本書は痛烈に批判している。
―――アンドリュー・ショート
(シドニー大学地球科学部、砂浜生態学に多大な影響を及ぼしたモルフォダイナミクス(morphodynamics)の観点から浜のタイプ分けを提唱した一人)

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