著者紹介
ギヨーム・ドーダン(著者):34歳。AFP通信の法務部門。 #MeTooと近年の新たなフェミニズムに感化され、男女の格差がいまだに広がる社会における男性としての自身の立場を問い続ける。本書が初のバンド・デシネ出版である。
ステファン・ジョルダン(著者):43歳。フランス・インター(France Inter)の電子部門編集長。社会変動を20年間追い続ける。本著以外にもジャック・シラク(Génération Chirac, génération volée, Denoël, 2002)やダフト・パンクについての著書(French Touch, une épopée électro, Le Castor Astral, 2015)がある。好きなものはイタロ・ディスコ、アレシンスキーとピニョ・ノワール。
中條 千晴(翻訳):1985年生まれ。専門はポピュラー音楽、ジェンダー論。東京外国語大学国際日本学部特任講師。共著として『ガールズ・メディア・スタディーズ』(北樹出版、2021)など。訳書として『女性ジャズミュージシャンの社会学』(青土社、2023年)、『クリエイティブであれ』(共訳、2023年)、『私は男が大嫌い』(2023年)、『女奴隷たちの反乱』(2022年)、『博論日記』(2020年、すべて花伝社)など。
キャロライン・リー(イラスト):52歳。台湾にルーツを持つアメリカ人。元はアディダスやコンバースなど有名ブランドのシューズデザイナーであったが、2014年に転職、イラストレーションとバンド・デシネの道に入る。学位を取得した後に本書を出版、2022年4月には、グラフィックノベルIrvington(Ca et là)を出版。夫と2人の子どもとモンマルトルに住んでいる。
内容
ぼくたちの「避妊負担」、実践編。
男性主体の避妊方法を探し求めて取材の旅に出た、2人の男性ジャーナリスト・ギヨームとステファン。そこで出会ったのは、40年以上変わらない前時代的な避妊法、「手作り」で避妊を実践する“活動家”など、想像の斜め上をいく(⁉)避妊男子たちの挑戦だった――
パイプカット、男性用ピル、ヒートパンツ、ホルモン注射、避妊リング…男の「避妊負担」に最善の方法とは?
「家父長制とかの話になると、ものすごく思想的になるだろ。でもこれはもっと具体的」
「40年も男性用ピルついに! って言い続けてきたんだ…」
「ヒートパンツ、自分が履いてるの想像できる?」
「ぶっちゃけ最初はちょっとかゆい…」
「俺…避妊男子になりました!」
「男ってのは勃って、イって、子どもを作るだけって言われるけど、僕たちはそれをボイコットしたかった」
「性と生殖をめぐる責任」に、男性はいかにして主体的に関わることができるか。男性による男性のための“性をめぐる闘い”を描き議論を巻き起こした、バンド・デシネの傑作。