岩波講座世界歴史<01> 世界史とは何か
内容
目次
本講座の編集方針と構成について 展 望|Perspective 〈私たち〉の世界史へ┄┄┄┄┄小川幸司 一、一人ひとりの世界史 二、世界史実践の軌跡をたどる 三、日本の世界史実践とその課題 おわりに——〈私たち〉の世界史へ 問題群|Inquiry 人は歴史的時間をいかに構築してきたか┄┄┄┄┄佐藤正幸 はじめに 一、キリスト紀年の成立と紀元前という概念の発明 二、キリスト紀年の変容と基軸紀年への道 三、キリスト紀年はなぜ世界的普及が可能だったか 四、アラビア数字がキリスト紀年の世界普及に果たした役割 五、キリスト紀年の世界普及と脱宗教化の諸相 おわりに 世界史のなかで変動する地域と生活世界┄┄┄┄┄西山暁義 一、「地域」と「地域史」 二、領域の境界 三、国民国家と地域 四、つながり・伝播・比較——地域の結びつきと結びつけ おわりに 現代歴史学と世界史認識┄┄┄┄┄長谷川貴彦 はじめに 一、社会史パラダイム 二、転回1・0——物語と文化 三、転回2・0——空間と時間 おわりに 焦 点|Focus ジェンダー史の意義と可能性┄┄┄┄┄三成美保 一、世界史的課題としてのジェンダー平等 二、ジェンダー史の成立と発展——フェミニズムと隣接諸学 三、二一世紀のジェンダー史——新たな展開 四、非西洋世界のジェンダー史の進展 五、歴史学におけるジェンダー視点の主流化に向けて 「サバルタン・スタディーズ」と歴史研究・叙述┄┄┄┄┄粟屋利江 一、「サバルタン・スタディーズ」の登場 二、「下からの歴史」から「ポストコロニアル研究」へ 三、「サバルタン・スタディーズ」が問うたこと 四、二一世紀の「サバルタン・スタディーズ」 環境社会学の視点からみる世界史——先住者の生活戦略から探る持続可能な社会┄┄┄┄┄金沢謙太郎 一、〈人と環境〉の歴史 二、先住者たちの社会 三、食の生活戦略 四、交流の生活戦略 五、世界史から探求する持続可能な社会 「感染症の歴史学」と世界史——パンデミックとエンデミック┄┄┄┄┄飯島 渉 はじめに 一、ペストの歴史学 二、ペストの中国史 三、「歴史総合」という契機——パンデミックとエンデミック おわりに——「ユニバーサル・ヒストリー」としての「感染症の歴史学」 ヨーロッパの歴史認識をめぐる対立と相互理解┄┄┄┄┄吉岡 潤 一、危機の三〇年 二、ポーランドにおける歴史 三、ポーランドにおける「過去をめぐる戦争」 四、歴史政策の求心力と遠心力 五、歴史認識問題をめぐる理想主義と現実主義 東アジアの歴史認識対立と対話への道┄┄┄┄┄笠原十九司 一、東アジアの歴史認識対立構造の変容 二、歴史研究者・歴史教育者による歴史対話の試み 三、戦争被害者との歴史対話——中国人戦後補償裁判運動 四、二一世紀の東アジアの歴史認識対立 五、日韓歴史共同研究と日中歴史共同研究 六、東アジア市民による歴史対話への道——「未来をひらく歴史」 新しい世界史教育として「歴史総合」を創る——「自分の頭で考え、自分の言葉で表現する」歴史学習への転換┄┄┄┄┄勝山元照 はじめに 一、高校歴史教育の転換と「歴史総合」の成立 二、神大附実践と主題的単元史学習 三、新指導要領下での「主題的単元史学習」の深化 おわりに コラム|Column デジタル技術を活用した歴史研究の展開┄┄┄┄┄後藤 真 「民族共生象徴空間」と高校「世界史」——『ウポポイ』upopoi(原意:「歌うこと」) ┄┄┄┄┄吉嶺茂樹