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書評掲載

女の子たち風船爆弾をつくる

小林 エリカ  著

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価格 \2,750(税込)         
発行年月 2024年05月
出版社/提供元
文藝春秋
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 395p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784163918358
商品コード 1038398899
NDC分類 913.6
書評掲載誌 東京・中日新聞 2024/05/25、毎日新聞 2024/06/01、産経新聞 2024/07/07
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038398899

内容

第78回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)受賞作。

日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。しかし、少しずつ、でも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。
ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。彼女たちは今日からここで、「ふ号兵器」、すなわち風船爆弾の製造に従事する……。

膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。