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ホロコースト最年少生存者たち~100人の物語からたどるその後の生活~

レベッカ クリフォード  著

山田 美明  翻訳
芝 健介  監修
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \3,080(税込)         
発行年月 2021年08月
出版社/提供元
柏書房
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 429p 図版12p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/社会科学/政治学/国際関係論
ISBN 9784760153916
商品コード 1033503786
NDC分類 316.88
基本件名 ユダヤ人
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2021年10月1週
書評掲載誌 日本経済新聞 2021/10/16、読売新聞 2021/10/31、朝日新聞 2021/11/06
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033503786

著者紹介

レベッカ クリフォード(著者):ウェールズのスウォンジー在住。2008年にオックスフォード大学にて博士号を取得(近代史)、オックスフォード大学ウースター・カレッジでのジュニア・リサーチフェローシップを経て、2009年、現在所属するスウォンジー大学(近代ヨーロッパ史/准教授)に移籍。王立歴史学会と高等教育アカデミーのフェローも務めている。著作は、2013年にオックスフォード大学出版会から刊行されたCommemorating the Holocaust: The Dilemmas of Remembrance in France and Italyがあり、彼女の所属チームが共著したEurope's 1968: Voices of Revoltにも協力している。本書Survivors: Children's Lives After the Holocaustはイギリス学士院のリーバーヒューム・トラストの研究助成を受けて制作されたものである。
山田 美明(翻訳):英語・フランス語翻訳家。東京外国語大学英米語学科中退。訳書にエマニュエル・サエズ+ガブリエル・ズックマン『つくられた格差――不公平税制が生んだ所得の不平等』、エディス・シェファー『アスペルガー医師とナチス――発達障害の一つの起源』、デビッド・リット『24歳の僕が、オバマ大統領のスピーチライターに?!』、プク・ダムスゴー『ISの人質――13カ月の拘束、そして生還』(以上、光文社)、ジョセフ・E・スティグリッツ『スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM』(東洋経済新報社)、トム・バージェス『喰い尽くされるアフリカ――欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日』(集英社)、他多数。
芝 健介(監修):1947年、愛媛県生まれ。東京女子大学名誉教授。専門はドイツ現代史。著書に『武装SS――ナチスもう一つの暴力装置』(講談社選書メチエ)、『ホロコースト――ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』(中公新書)、『ニュルンベルク裁判』(岩波書店)など、訳書に『総統国家――ナチスの支配 1933-1945年』(岩波書店)、『ファシズム時代のシオニズム』(叢書・ウニベルシタス)、『二つのドイツ――1945-1990』(岩波書店)、共訳書に『ホロコースト大事典』(柏書房)、監修に『星をつけた子供たち――ナチ支配下のユダヤの子供たち』(創元社)など、ナチ関連書多数。

内容

★2021年ウルフソン歴史賞候補作品★

“私たちは、ホロコーストとその影響をいまだ十分には理解していない”(序章)
記憶も、名前も、家族に対する愛着も持ち得なかった者が、自分の人生を取り戻すことなど可能なのだろうか?支援機関のファイル、養護施設の記録、精神科医の報告書、未公開の回想録など、10カ国以上の史料とインタビューをもとに、かつて「幸運」とされた当時10歳以下の子どもたちが経験した「戦後」を描く画期的研究。貴重な写真も27点収録。


■章立てと抜粋
第1章 もう一つの闘いの始まり
“私のなかで闘いが始まったのは、1940年ではなく1945年なんだ”(モーリッツ・C)

第2章 大人の視点
“私が泣くなと言うと、その子はこう答えた。「それならどこで泣けばいいの?」”(あるボランティアのメモ)

第3章 引き取られる子どもたち
“どこにも居場所がない、自分を大切に思ってくれる人がいないという感覚だった”(ローベルト・B)

第4章 家族との再会
“誰かが「お父さんの膝の上に乗せてもらったら?」と言うから、父の膝の上に座ったんだが、どこか感じが違った”(アンリ・O)

第5章 ヴォセル館の子どもたち
“ドイツ兵は…少女をトラックに引っ張り上げて射殺した。その話を聞くたびに私たちは思った。わあっ、なんてすてきな物語なのって”(フェリーツェ・Z)

第6章 変容
“なぜもっと早く教えてくれなかったの?真実を知らされるのはいつもほかの人からだ!”(ジャッキー・Y)

第7章 トラウマ
“あの人たちは実験のために私たちを一緒にしていたのか?ドイツ人が私たちを使ってあれだけ実験していたのに、まだ足りないというのか?”(デニー・M)

第8章 幸運と言われた生存者
“40歳になるまで、普通になろうと必死だった”(ツィラ・C)

第9章 ホロコースト生存者になる
“ずっと孤独だったの。…大勢が殺されたから”(ジャクリーヌ・R)

第10章 それぞれの物語
“記憶がばらばらなんだ。それを使って物語を紡ぎあげようなんて無理だよ”(デニー・M)

第11章 沈黙
“できるだけ過去のことは考えないようにしろと言われた。…そのとき私の人生にどれほど大きな変化が起きたか想像できる?”(ベラ・R)

終章 最後の証人
“私の後ろには、直接あなた方に話ができなかった600万人のユダヤ人が立っていると思ってください”(アグネス・G)

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