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完本太宰と井伏~ふたつの戦後~(講談社文芸文庫 かP4)

加藤 典洋  著

與那覇 潤  他
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \1,870(税込)         
発行年月 2019年05月
出版社/提供元
講談社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 266p
大きさ 16cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784065160268
商品コード 1030351816
NDC分類 910.268
個人件名 太宰/治
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2019年06月4週
書評掲載誌 読売新聞 2019/06/09、読売新聞 2019/09/08
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1030351816

著者紹介

加藤 典洋(著者):加藤典洋(1948.4.1~)文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部卒。国立国会図書館勤務を経て、86年、明治学院大学助教授。90年、同教授。2005年、早稲田大学教授、現在、同大学名誉教授。85年、『アメリカの影』で文芸評論家としてデビュー。97年、『言語表現法講義』で新潮学芸賞受賞。98年『敗戦後論』で伊藤整文学賞受賞。04年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞受賞。主な著書に『日本風景論』『日本という身体』『戦後的思考』『言葉の降る日』『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために』など。

内容

思考の力で〈世界〉と対峙し、惜しまれつつ逝った批評家、加藤典洋氏。
「愛着深い本」と語った本書は、生前最後の文庫となった。

文庫版あとがきと自筆年譜に、氏の最晩年の胸のうちが綴られる。
「ようやく私は一人の「老人」になることができたと思っている。(中略)「老人」とは世を捨てることではない。「若い人」を助ける「一歩身を引いた」、「自分の分限を知った」社会的人間のことである」
(「著者から読者へ」より)


「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ。」(「ヴィヨンの妻」)

四度の自殺未遂を経て、一度は生きることを選んだ太宰治は、戦後なぜ再び死に赴いたのか。
井伏鱒二と太宰治という、師弟でもあった二人の文学者の対照的な姿から、今に続く戦後の核心を鮮やかに照射する表題作に、そこからさらに考察を深めた論考を増補した、本格文芸評論の完本。

與那覇潤
太宰や三島はだれもが認める「極端な人」だが、井伏のように恬淡に徹しきる人もまた別の極端なのだ。凡人たるわたしたちはひっきょう、太宰と井伏のあいだに広がる人間的な、あまりに人間的な原っぱを、ねじれながら生きていくしかないのだ。実質的に太宰論である本書にあえて附された『太宰と井伏』のタイトルを、ぼくはそうしたメッセージとして受けとる。 (解説より)

目次
太宰と井伏 ふたつの戦後
太宰治、底板にふれるーー『太宰と井伏』再説
解説 與那覇潤
年譜
著書目録

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