磁性理論の進歩~芳田奎教授還暦を記念して~
内容
目次
1 遷移金属の電子構造と磁性 1.1 遷移金属の電子構造の概観 1.2 バンド計算の基礎 1.3 磁性金属・合金の電子構造(s‐d混合を中心にして) 1.4 多体効果 1.5 s状態,s‐d混合の重要性(まとめに代えて) 2 金属強磁性理論 ― その発展と現状 ― 2.1 序論 ― 局在モデルと遍歴モデル 2.2 静的・動的平均場近似とその限界 2.3 金属中の局在磁気モーメント 2.4 弱い強磁性および反強磁性金属 ― 自己無撞着なスピンのゆらぎの理論 2.5 スピンのゆらぎの統一的描像 2.6 統一理論の諸結果 2.7 スピンのゆらぎの動的性質と短距離秩序 2.8 結語 3 f電子系の異常 ― 高濃度近藤状態 ― 3.1 序論 3.2 Ce化合物における異常現象の一般的考察 3.3 CeB6の高濃度近藤状態 3.4 その他のCe化合物の異常 3.5 Ce化合物以外の物質の異常 3.6 結語 4 磁性と超伝導 4.1 はじめに 4.2 実験事実 4.3 超伝導電子と磁気モーメントとの間の相互作用 4.4 磁束量子化と渦糸状態 4.5 相図 4.6 強磁性超伝導体の表面 4.7 強磁性超伝導体の薄膜 4.8 ジョセフソン(Josephson)効果 4.9 おわりに 5 固体ヘリウム3の磁性 5.1 はじめに 5.2 状態図と量子効果 5.3 基底状態の波動関数 5.4 トンネル効果による原子の非局在化 5.5 交換相互作用 5.6 固体3Heの交換相互作用 5.7 高温の磁性 5.8 秩序相への転移 5.9 核磁気共鳴とスピン構造 5.10 4スピン相互作用とスピン構造 5.11 磁場中の相転移 5.12 高圧下の相転移 5.13 まとめ ― 何がわかったか 6 遷移金属表面と吸着 6.1 はじめに 6.2 W(1 0 0)表面の再構成 6.3 W(1 0 0)表面再構成への水素吸着の効果 6.4 Newns‐Andersonモデル 6.5 吸着子系でのスクリーニングおよび結合状態 6.6 W表面の吸着アルカリ原子による仕事関数の変化,および金属表面での吸着子の摩 擦係数 6.7 時間に依存するNewns‐Andersonモデル 7 金属のフェルミ面効果 7.1 Andersonの直交定理 7.2 金属中の二準位系 7.3 金属中の重い粒子(バンド的) 7.4 金属中の重い自由粒子 8 磁性研究の歴史と展望 8.1 はじめに 8.2 局在電子系の磁性研究 8.3 遍歴電子系の磁性研究 8.4 遍歴電子と局在スピンとの相互作用 8.5 磁性研究の展望