【MeL】イメージの記憶 ―危機のしるし―
田中 純 著
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内容
目次
序 I 行為する像(イメージ) 第1章 創像された怪物の解剖学──像行為論の射程 第2章 握斧(ハンドアックス)の像行為──起源/根源のメイキング 第3章 不死のテクノロジーとしての芸術──生政治のインスタレーション 第4章 物質論的人文知(ヒューマニティーズ)としての考古学 ──同時代への退行的発掘 1 新石器時代の終わり? 2 野生の考古学 3 考古学的物質性 4 野生の考古学と歴史経験 5 アーカイヴという発掘現場 6 人文知の先立未来 第5章 死者の像の宛先──スーザン・ソンタグの亡骸 II 『ムネモシュネ・アトラス』を継ぐ 第1章 モンタージュ/パラタクシス──パラダイム転換のために 1 イメージによる歴史叙述の「リアリズム」 2 テオ・アンゲロプロスの映画における空舞台 3 マックス・エルンスト《主の寝室》の皮膚 4 「歴史の地震計」のヘテロトピア 第2章 フィールドノートという自伝──霊たちのためのドローイング 第3章 見えない瓦礫を投げる──蜂起の身振り 第4章 歴史のゴースト・プラン──宇佐美圭司の絵画論をめぐって 第5章 心理歴史的地図からイメージ記憶の散歩へ ──『ムネモシュネ・アトラス』再考 第6章 夜の共同体へ──パスカル・キニャールに III ホロコースト表象の現在 第1章 ホロコースト表象の転換点──『サウルの息子』の触感的(ハプティック)経験 1 迷宮と化す映像空間 2 「黒」からの脱出 3 「子供の死」というトポス 4 触感的(ハプティック)な歴史叙述としての映画 第2章 それ(エス)の地下室(クリプト)──ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》 第3章 生と死のシンメトリー──セルゲイ・ロズニツァ『アウステルリッツ』 IV 建築的想像力の神話学 第1章 巨人と小人の無垢──ベンヤミンと冥府の建築家たち 第2章 魔術的洞窟──キースラーのシャーマニズム 第3章 死の女神としての家──「三匹の子ブタ」異聞 第4章 白い錯乱──ル・コルビュジエの「最初の絵画」 第5章 デミウルゴスのかたり──磯崎新の土星(サトゥルヌス)的仮面劇 1 異形の双面神(ヤヌス) 2 都市破壊業からもうひとつのユートピアへ 3 サトゥルヌスとしてのデミウルゴス 4 黒い翁の流言 V 危機のしるし 第1章 『シン・ゴジラ』の怪物的しるし──未来からの映画 1 「覚醒」という出来事 2 テクノロジーの時代のレヴィヤタン 3 「ゴジラ」という名の影 4 「喩」を喰い破る「怪物」 5 怪物・彗星・しるし 第2章 トランプ/ネロ/ペルセウス──斬首された自由 第3章 ウンブラル──パンデミック下の「歴史の閾」 第4章 生の弱さの底に降りて行く──カミュ『ペスト』に寄せて 1 敗者による歴史叙述としての「ペスト」 2 言葉への誠実さ(l'honnêteté) 3 生の脆弱さに沈潜する 第5章 イコノクラスムの彼方へ──像なき時代を創像する 第6章 無の色気──デヴィッド・ボウイから世阿弥へ 結 論 「かげ」なる像の「うつろひ」へ向けて 1 技術的創像の時代のアートとサイエンス 2 パラタクシスのリアリズム 3 ホロコーストの創像的歴史叙述と建築の根源(アルケー) 4 しるしと謎 5 「かげ」の「うつろひ」