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しあわせの宗教学~ウェルビーイング研究の視座から~

平藤 喜久子, 川又 俊則, 板井 正斉, 片桐 資津子, 猪瀬 優理, 横山 忠範, 稲本 琢仙, 李 賢京, 袴田 俊英, 清水 香基  著

櫻井 義秀  編
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価格 \2,750(税込)         
発行年月 2018年01月
出版社/提供元
法蔵館
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 345p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/宗教/宗教哲学・宗教社会学
ISBN 9784831857033
商品コード 1026467822
NDC分類 161.04
基本件名 宗教学
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2018年02月3週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1026467822

著者紹介

平藤 喜久子(著者):一九七二年生まれ。山形県出身。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。現在、國學院大學研究開発推進機構教授。神話学・宗教学。
川又 俊則(著者):一九六六年生まれ。茨城県出身。成城大学大学院文学研究科日本常民文化専攻博士課程後期単位取得退学。現在、鈴鹿大学こども教育学部教授。社会学(宗教社会学・教育社会学)。
板井 正斉(著者):一九七三年生まれ。大分県出身。皇學館大学大学院文学研究科神道学専攻。現在、皇學館大学教育開発センター准教授。宗教社会学、神道と福祉。
片桐 資津子(著者):北海道出身。北海道大学教育学研究科博士課程中退。文学博士。現在、鹿児島大学法文学部教授。福祉社会学、老年社会学。
猪瀬 優理(著者):一九七四年生まれ。北海道出身。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(行動科学)。現在、龍谷大学社会学部准教授。宗教社会学。
横山 忠範(著者):一九四六年生まれ。北海道出身。北海道大学大学院文学研究科人間システム科学専攻修士課程修了。
稲本 琢仙(著者):一九九二年生まれ。北海道大学大学院文学研究科人間システム科学専攻修士課程修了。曹洞宗僧侶。
李 賢京(著者):一九七九年生まれ。韓国釜山出身。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、東海大学文学部文明学科特任講師。宗教社会学、日韓の宗教比較。
袴田 俊英(著者):一九五八年生まれ。秋田県出身。駒沢大学仏教学部仏教学科卒業。現在、曹洞宗月宗寺住職、日本赤十字秋田看護大学非常勤講師、曹洞宗秋田県宗務所教化主事、藤里町教育委員長、「心といのちを考える会」会長、「自殺予防 秋田こころのネットワーク」会長、NPO法人自殺防止ネットワーク風副理事長、日本尊厳死協会東北理事など。
清水 香基(著者):一九九〇年生まれ。愛知県出身。北海道大学大学院文学研究科博士課程在学。宗教社会学、社会調査法。
櫻井 義秀(編者):1961年、山形県出身。北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。現在、北海道大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教社会学、タイ地域研究、東アジア宗教文化論。著書に『東北タイの開発僧―宗教と社会貢献』(梓出版社、2008年)、『統一教会?日本宣教の戦略と韓日祝福』(北海道大学出版会、2010年)、『死者の結婚―祖先崇拝とシャーマニズム』(北海道大学出版会、2010年)ほか、編著に『タイ上座仏教と社会的包摂―ソーシャル・キャピタルとしての宗教』(編著、明石書店、2013年)、『アジアの社会参加仏教―政教関係の視座から』(共編、北海道大学出版会、2015年)、『人口減少社会と寺院―ソーシャル・キャピタルの視座から』(共編、法藏館、2016年)、『現代中国の宗教変動とアジアのキリスト教』(北海道大学出版会、2017年)、『人口減少時代の宗教文化論―宗教は人を幸せにするか』(北海道大学出版会、2017年)などのほか著書多数。

内容

近年のウェルビーイング研究の動向を踏まえ、宗教学の立場から、はじめて幸せの問題に切り込み、宗教が人を幸せにするとはどういうことなのかを問う、画期的な論集。

【各章の概要】
・国際比較からわかる日本人の幸せ感の特徴(第一章 櫻井)。
・神話の英雄がしあわせを与える?(第二章 平藤)。
・一つの教会、みんなの教会が支えるしあわせ(第三章 川又)
・地域の神社がもつ「しあわせ」観創出の潜在力(第四章 板井)
・尊厳死は幸せな最期か?(第五章 片桐)。
・創価学会信者が抱く幸せ感とは?(第六章 猪瀬)
・人間関係維持の鍵概念としての傾聴とボランティア(第七章 横山)
・寺院がはたす親子のウェルビーイング(第八章 稲本)
・セウォル号沈没事故にみる韓国宗教団体の実態(第九章 李)
・「お一人様化」時代に求められる寺院とは?(対談 櫻井・袴田)
・さまざまな幸福感調査に関わるデータから(付録 清水)

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簡単に言えば、宗教とは何かという数ある定義の一つに、「宗教を生きる人たちは幸せを求め、幸せ感を得ているようだ」という仮説を加えた上で、宗教が人を幸せにするということはどういうことなのかと、現代社会のさまざまな文脈の中で考えようということである。
近年、人々のウェルビーイング(主観的な幸せ感と客観的な生活の諸条件)を高めるために何が必要なのかと、さまざまな実践的・臨床的学問で論じられている。健康の維持、良好な人間関係、そして過不足ない経済生活がウェルビーイングの主たる三要素であることが広く知られている。では、病を得ていること、人間関係に悩んでいること、貧しさに喘いでいるという人たちは幸せになれないのか。不足が不足のままであれば幸せとは言えないというのが社会科学の診断である。ところが、不足とは考えずに前向きな人生観を持つ人たちも少なくない。現代のウェルビーイング研究では、人は何によって人生に対して前向きに歩めるようになるのかという大きな課題に直面している。日本ではそこに宗教観や宗教文化を持ち込む研究が少ない。それに対して海外では宗教が人々に希望を与える機能を大いに評価している。
本書もまた、ウェルビーイング研究の大きな流れのなかで人々の「しあわせ」を増進するためには私たちは何をすればよいのか、私たちは人生や社会のどういう側面に気づけばいいのかを考察したいと考えている。
(「はじめに」より)
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☆関連書籍
櫻井義秀・川又俊則編『人口減少社会と寺院――ソーシャル・キャピタルの視座から』(法藏館、2016年3月、3,240円〈税込〉)

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