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書評掲載

病魔という悪の物語~チフスのメアリー~(ちくまプリマー新書) 

金森 修  著

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価格 \836(税込)         
発行年月 2006年03月
出版社/提供元
筑摩書房
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 143p
大きさ 18
ジャンル 和書/生命科学、医学、農学/社会医学/医療統計・疫学
ISBN 9784480687296
商品コード 0106019996
NDC分類 498.6
基本件名 腸チフス
書評掲載誌 朝日新聞 2020/07/11、毎日新聞 2020/07/11
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=0106019996

著者紹介

金森 修(著者):1954年札幌市生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。パリ第一大学哲学博士。専門は科学思想史・科学史。筑波大学、東京水産大学(現、東京海洋大学)を経て、東京大学大学院教育学研究科教授。主な著書は『フランス科学認識論の系譜』『負の生命論』『自然主義の臨界』『遺伝子改造』(以上、勁草書房)、『バシュラール』(講談社)、『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会)、『科学的思考の考古学』(人文書院)、『科学の危機』 (集英社新書)、『科学思想史の哲学』(岩波書店)、『人形論』(平凡社)。2016年逝去。

内容

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・緊 急 復 刊! これは、明日の私たちだ──100年前のアメリカを震撼させた衝撃の実話。伝染病の恐怖と闘う現代人が、今読むべき歴史的教訓の書!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・料理人として働いていた彼女は、腸チフスの無症候性キャリアとして、本人に自覚のないまま雇い主の家族ら50人近くに病を伝染させた――。20世紀初め、毒を撤き散らす悪女として「毒婦」「無垢の殺人者」として恐れられた一人の女性の数奇な生涯に迫る。エイズ、鳥インフルエンザ、新型コロナウイルスなど、伝染病の恐怖におびえる現代人にも、多くの問いを投げかけている。「これは、ある一人の女性の生涯の物語だ。その女性は、料理がとてもうまい人だった。子どもの面倒見もよく、雇い主からは信頼されていた。だから、料理に存分に腕をふるい、雇い主にも信頼されてそのまま生活していけたとすれば、貧しいながらも、それなりに幸せな人生だったろう。だが、その女性には過酷な運命が待っていた。三七歳になったあるとき、突然、自分自身には身に覚えもないことで、公衆衛生学にとっての注目の的になり、その後の人生が大きく変わっていく。突然、自由を奪われ、病院に収容されるのだ。」─「はじめに」より【目次】第1章 物語の発端(事件以前のメアリー チフス患者の発生 ほか)第2章 公衆衛生との関わりのなかで(腸チフス チフスと戦争 ほか)第3章 裁判と解放(法的な問題 「チフスのメアリー」の露わな登場 ほか)第4章 再発見と、その後(自由になって 恋人の死 ほか)第5章 象徴化する「チフスのメアリー」(一般名詞化するメアリー 勝ち馬に乗る歴史 ほか)「恐ろしい伝染病が、いつ社会に蔓延するかは誰にもわからず、もしそうなれば、電車で隣に座る人が、恐ろしい感染の源泉に見えてこないとも限らない。(略)そして、この生物学的な恐怖感が私たちの心の奥底に住み着き、いつその顔を現すかはわからないような状況が、人間社会の基本的条件なのだとするなら、未来の「チフスのメアリー」を同定し、恐怖を覚え、隔離し、あざけり、貶めるという構図は、いつ繰り返されてもおかしくはない。(略)もし、あるとき、どこかで未来のメアリーが出現するようなことがあったとしても、その人も、必ず、私たちと同じ夢や感情をかかえた普通の人間なのだということを、心の片隅で忘れないでいてほしい。」─本文より抜粋

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