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コスモポリタニズム~「違いを越えた交流と対話」の倫理~

クワメ・アンソニー・アッピア  著

三谷尚澄  翻訳
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価格 \3,960(税込)         
発行年月 2022年09月
出版社/提供元
みすず書房
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 16p,267p,14p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/哲学/倫理・道徳
ISBN 9784622095330
商品コード 1035064490
NDC分類 150.4
基本件名 倫理学
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2022年10月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035064490

著者紹介

クワメ・アンソニー・アッピア(著者):(Kwame Anthony Appiah)
ニューヨーク大学哲学・法学教授。プリンストン大学名誉教授。米国芸術文学アカデミー会長。ガーナ人の父とイギリス人の母のあいだで、ロンドンに生まれる。専門は、文学、カルチュラル・スタディーズ、アフリカ人やアフリカ系アメリカ人の知的営為に関する歴史や文学研究、倫理学。道徳哲学と心理学の関連や、政治哲学や社会科学の哲学など。著書に、Lies That Bind (Liveright Pub Corp, 2018), Experiments in Ethics (Harvard University Press, 2010), The Honor Code (W. W. Norton, 2010) などがある。
三谷尚澄(翻訳):(みたに・なおずみ)
1974年、三重県に生まれる。1997年、京都大学文学部卒業。2002年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2006年、文学博士(京都大学)。現在、信州大学人文学部教授(専攻/西洋哲学・倫理学)。著訳書に『哲学しててもいいですか?――文系学部不要論へのささやかな反論』(2017)、『若者のための〈死〉の倫理学』(2013。以上、ナカニシヤ出版)、『新・カント読本』(共著:牧野英二編、第21章「カントにおける生と死の倫理」を担当、法政大学出版局、2018)、‘The World in which Everything is the Self’, in Jay Garfield (ed.), Wilfrid Sellars and Buddhist Philosophy (Routledge, 2019)、K・A・アッピア『コスモポリタニズム』(みすず書房、2022)、C・コースガード『義務とアイデンティティの倫理学』〔共訳〕(岩波書店、2005)などがある。

内容

「コスモポリタニズムの出発点をなすのは単純な考え方である。国家における場合と同様、全人類を単位とする共同体においても、私たちは違いを乗り越えて平和に共存することを習慣としなければならない、という発想がそれである」(本文より)

コスモポリタニズムのこうした発想は耳に心地よいが、現実離れした理想主義的な考え方だ、ととらえる向きもある。コスモポリタニズムの考え方を徹底することで、国家や地域、さらには家族といった、個性や伝統を備えたつながりや愛着が犠牲になりはしないだろうか、といった疑念がもたれることもあるだろう。
しかし、と著者アッピアは言う。この地球に住むすべての人を気にかけて暮らすことと、個々別々の地域に根差した文化や伝統を大切にして暮らすことは両立させられるはずだ。
アッピア自身が、ガーナ人の父とイギリス人の母のもとに生まれ、現在アメリカに居を構えるコスモポリタンである。本書は、ともすれば安易な理想主義に陥りかねないコスモポリタニズムの思想を、さまざまな文化や習慣に触れてきた著者の経験を交えつつ、現代に通用する形で鍛え直すことをねらいとしている。「過去の遺物」ではない、「新しい可能性」をもった倫理として。

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