【MeL】日本数学史(DL不可)
佐々木 力 著
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内容
目次
編集方針 序論 日本数学史の特異性伝統から近代へ 1 「夜明け前」前後の数学 2 伝統中国数学から和算を経て近代西欧型数学へ 3 日本数学史研究の先駆者たち 4 数学の解釈学「文化相関的数学哲学」という学問プログラム 5 現代日本の日本数学史学の課題 第I部 前近代日本数学思想の源流 第一章 数学思想の二つの原型――古代中国と古代ギリシャ,そして日本の数学思想 1 日本の数学はどのような構成要素から成り立っているか? 2 数学的知識の二つの原型とは何か?――古代ギリシャと古代中国 3 古代ギリシャ数学における発見と論証 4 公理論数学の思想的社会的背景:広義の懐疑主義思潮とアゴーン社会――サボー説への代替案 5 『九章哨術』に見られる中国数学のプラグマティックでアルゴリズム的な様式 6 古代中国数学の歴史的背景 7 プラトン主義的数学思想の利点と不都合 8 日本人数学史家は世界の数学史にどんな貢献ができるだろうか? 第二章 中国数学の成立と展開――古代と宋元明朝の数学 1 中国数学史の時代区分 2 古代中国数学の成立『九章哨術』を中心として 3 古代中国数学の理論的深化――劉徽と祖冲之と彼らの時代 4 宋元明代の数学の飛躍と変容――天元術の創成と珠算の普及 5 西洋数学との出逢い以後――利瑪竇・梅文鼎・李善蘭 第三章 日本古代学制における中算の受容 1 日本史上の二つの文明開化のなかの「第一の文明開化」 2 〈大化改新〉における算学 3 和数考――『古事記』から『万葉集』までの数概念 4 律令体制の成立と算学 5 律令体制学制の形骸化と算博士の家業化 第四章 日本中世社会の構造変動と算学思想 1 日本中世の始原 2 「算術者」と「大福長者」 3 中世算学の担い手たち 4 日本中世に「商業革命」は起こったと考えられるか? 5 数量化の諸相 6 日本近世の算用合理主義への助走 第II部 江戸時代の数学――和算 第五章 和算の歴史学 1 日本数学のもっとも独創的な形態の内的外的な 2 日本近世の歴史的特徴づけの鋳型――近世日本は太閤検地と 3 「17 世紀日本の革命」の一環としての和算の形成 4 和算の実践的下部構造 5 和算の数学思想的特性 6 和算の歴史的展開の基本構造 第六章 和算の形而上学――江戸のピュタゴラス主義 1 江戸時代算用社会の成立と和算の形而上学 2 江戸初期文学に現われた算用の在り方 3 「徳川イデオロギー」としての朱子学 4 新井白石の易学的数理観 5 朱子学的自然哲学への批判,およびその批判的彫琢 6 内田五観・佐久間象山における洋学的ピュタゴラス主義への移行 7 明治維新以降の数理認識 第七章 和算の展開 1 関孝和=もうひとつの近世代数解析技法の鼻祖 2 建部賢弘の『綴術算経』和算的無限小解析の本格的始動 3 関流和算の純粋数学化と免許制の制定――松永良弼・山路主住・藤田貞資 4 円理技法の刷新と発展安島直円から和田寧まで 5 円理技法はなぜ近世西欧の微分積分学に到達できなかったのか? 6 和算の社会学 7 近世の数学的知識の在り方の比較――西欧諸国・清朝中国・徳川日本 第III部 幕末・明治維新期のシステム転換と近代日本数学の展開 第八章 幕末・明治初期における近代西洋数学の受容とその後の発展 1 伝統数学としての和算から近代西洋数学への転換の歴史的背景 2 明治維新と数学様式の転換 3 近代日本学問のドイツ化の諸相 4 数学的学問の近代日本学術としての独立 5 近代日本資本主義体制下の数学的知識 第九章 戦後数学の新展開 1 近代日本数学の制度的枠組みの戦後的刷新 2 新しい数学スタイルの導入と定着 3 国際交流の著しい発展 4 戦後日本を代表する数学者たち 5 現代数学はマニエリスム期にあると見ることができるのか? 6 数学文化を山麓部で支える数学教育と数学史研究 結論 日本数学思想の特性と未来 1 「歴史-内-存在」としての数学的知識 2 文化相関的数学哲学のイデーンと日本数学史 書誌(欧文文献/中国語文献/日本語文献) 佐々木力氏略年譜 索引(人名・事項)