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人間非機械論~サイバネティクスが開く未来~(講談社選書メチエ 786)

西田 洋平  著

在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \2,255(税込)         
発行年月 2023年06月
出版社/提供元
講談社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 325p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/理工学/情報学/人工知能
ISBN 9784065317785
商品コード 1036131900
NDC分類 007.11
基本件名 サイバネティックス
本の性格 学術書/学生用
新刊案内掲載月 2023年07月4週
書評掲載誌 毎日新聞 2023/07/29、毎日新聞 2023/12/16
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1036131900

著者紹介

西田 洋平(著者):1980年生まれ。東海大学講師。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。専門は情報学。著書に『情報資源組織論』(東海大学出版部、共編著)、『AI時代の「自律性」――未来の礎となる概念を再構築する』(勁草書房、共著)など。

内容

AIは、人間にはなれない。けれども、AIの進歩は、現代人の思考を変える?
現代科学の系譜をたどり、私たちの世界観を根本から覆す科学論!

近年では、人間の知性を超えるAIが大真面目に考えられている。チェスや将棋のAIが人間を圧倒するだけではなく、ChatGPT、Midjourney(ミッドジャーニー)といった、文章、絵、音楽などの自動生成AIは、近年ますます高度になっている。将来は、様々な分野で機械が人間にとって代わるかもしれない。
実は、このAIの源流にあるのが、コンピューターの父フォン・ノイマンの影響のもと、二〇世紀の知的世界を席巻し、認知科学やSFに影響を与えた科学、サイバネティクスである。しかし、その起源には、現代科学と相反する思想が胚胎していた――。
サイバネティクスの創始者ノーバート・ウィーナーの思想から、その歴史を現代までたどり直し、徹底することで、不確かな世界を生き延びるための生命の科学を立ち上げる。情報・生命・社会の未来を読み解くための、革新的な科学論!


【目次】

はじめに

第1章 機械は人間になり、人間は機械になる?――サイバネティクスの旅路
1 第三次AIブームの先に
2 コンピューティング・パラダイムの浸透
3 原点としてのサイバネティクス

第2章 制御と循環のはざまで――胚胎された岐路
1 フォン・ノイマンの論理
2 ウィーナーの憂慮
3 ベイトソンの調和
4 フェルスターの再帰計算

第3章 セカンド・オーダーへの浮上――観察することを観察する
1 自己の制御を制御する
2 環境のトリビアル化
3 認知的盲点
4 ファースト・オーダーからセカンド・オーダーへ

第4章 オートポイエーシスの衝撃――生命システムとは何か
1 生命の定義
2 生物非機械論の確立
3 生命現象としての認知
4 説明の円環

第5章 現実はつくられる――構成主義の諸問題
1 現実の発明法
2 グレーザーズフェルドのラディカル構成主義
3 共同的な現実構成

第6章 情報とは何か――情報学としてのサイバネティクス
1 サイバネティクスの情報観
2 新しい情報学の台頭
3 情報伝達というフィクション

第7章 まとめと展望――サイバネティック・パラダイムの行方
1 サイバネティクスと二つのパラダイム
2 ネオ・サイバネティクスの応用領域


参考文献一覧

おわりに