著者紹介
朽木祥(著者):広島出身。被爆2世。
デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞、産経児童出版文化賞受賞。その後『彼岸花はきつねのかんざし』(学習研究社)で日本児童文芸家協会賞受賞。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞受賞。『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞、福田清人賞受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。ほかの著書に『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『月白青船山』(岩波書店)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)などがある。
近年では、『光のうつしえ』が英訳刊行され、アメリカでベストブックス2021に選定されるなど、海外での評価も高まっている。
網中いづる(イラスト):アパレル会社勤務の後、独立。主な書籍の装画に『完訳クラシック 赤毛のアン』シリーズ(講談社)、『気付くのが遅すぎて、/酒井順子』(講談社)、新装版『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ(角川書店)、『赤いくつ/角田光代』(フェリシモ)、『ふくはなにからできてるの?/佐藤哲也』(福音館書店)などがある。
1999年ペーター賞、2003年TISコンペ大賞、2007年講談社出版文化賞さしえ賞。大分県立芸術文化短期大学デザイン科非常勤講師。TIS会員。
内容
■内容の紹介■
ぼくはぜったいに忘れないだろう。夏の日に出会ったヒロシマの少女のことを。
1945年8月6日のあの朝と現在とをつなぐ、一人の少女と「ぼく」の物語。
国語教科書(小5、光村図書)に掲載の「たずねびと」も収録。
巻末に、原爆や平和について深く知ることのできる<ヒロシマへの道しるべ>を掲載。
■児童文学作家・あまんきみこさん推薦■
この本は、あなたの前の扉です。
扉をあけて、「澄ちゃん」に出会ってくださいね。
わたしたちひとりひとりの「命」について、考えを深めるきっかけになりますように。
■もくじ■
かげふみ
たずねびと
■コメント■
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館では、犠牲者の画像や記録を絶え間なくスクリーンに映し出しています。
八月六日のあの朝まで廣島で生きていた人々、一人一人を悼むためです。
物語にも同じことができるかもしれません。
「失われた声」に耳をすませ、かけがえのない「時間」を共に生きることによって。
この物語の少女たちの姿が、どうかあなたの心にいつまでも残りますように。
――朽木祥