著者紹介
ジェシカ・ラブ(著者):芸術家の両親のもと、南カリフォルニアで育つ。小さいころから絵を描いたり物語を作るのが好きだった。カリフォルニア大学サンタクルーズ校で版画制作とイラストレーションを学んだのち、演劇を学ぶためジュリアード・スクール(日本ではジュリアード音楽院として知られている)へ進んだ。ニューヨークの舞台に13年立つなかで絵本制作をはじめた。絵本作りは、芝居を演出し、すべての役をひとりで演じるように感じたという。ニューヨーク、ブルックリン在住。
横山和江(翻訳):埼玉県生まれ、山形市在住。訳書に『わたしの心のなか』『キツネのはじめてのふゆ』(ともに鈴木出版)、『フランクリンの空とぶ本やさん』(BL出版)、『わたしたちだけのときは』(岩波書店)、『300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート』(あすなろ書房)、『クマさんのいえへいかなくちゃ!』(徳間書店)、『ねこの3つのねがいごと』(岩崎書店)『ノラのボクが、家ネコになるまで』『家ネコのボクが、にんきものになるまで』(ともに文研出版)などがある。10月から「べネベントの魔物たち」シリーズ(偕成社)が順次刊行。やまねこ翻訳クラブ会員。
内容
表情豊かな美しい絵で描かれた
人魚になりたかったぼく、ジュリアンの物語
おばあちゃんと行ったプールの帰り道、ジュリアン少年は地下鉄に乗っていました。人魚が大好きなジュリアンは、おしゃれな人魚の格好をしている女性3人に見とれて、おばあちゃんに打ちあけます。「ぼく、人魚なんだ」。たちまちジュリアンは想像の世界へ入りこみ、人魚になりました!
おばあちゃんに声をかけられ想像の世界からもどったものの、ジュリアンは家に帰るなり身近な物をつかって人魚に変身して満足します。けれど、おばあちゃんには不評のようで、ジュリアンはがっかり。「ぼく、人魚の格好をしちゃいけないのかな……?」
ところが、人魚の姿のまま外へ出ようとおばあちゃんに誘われ、おっかなびっくり出かけてみると、さきほど見かけた人魚姿のお姉さんたちをはじめ、海の生き物に扮した色鮮やかな人たちのパレードが!そこでジュリアンは……。
ボローニャ・ラガッツィ賞(伊)、ストーン・ウォール賞大賞(米)受賞作品。