腐食抑制剤の基礎と応用~高分子化合物を中心に~
湯浅 真 著
内容
目次
1. はじめに 1.1 水誘導装置とその問題点 1.2 腐食抑制剤の種類と特徴 1.3 水の安定度指数 コラム①安定度指数と安定度定数の違い コラム②循環水の低濃縮水条件と高濃縮水条件 2. 従来から使用されている腐食抑制剤の効果と問題点 2.1 モリブデン酸塩系腐食抑制剤 2.1.1 モリブデン酸塩の特徴 2.1.2 腐食重量減試験 2.1.3 電気化学測定 2.1.4 鉄イオンの影響 2.1.5 鉄イオンに対する対策 コラム③電気化学測定で使用する参照電極 2.1.6 鉄イオンの影響に対する防止策 2.2 リグニン(リグニンスルホン酸)系腐食抑制剤 コラム④ステンレスが錆さびにくいのは,なぜですか? 2.2.1 リグニンスルホン酸塩の脱炭素性能 2.2.2 リグニンスルホン酸塩の腐食重量減試験 コラム⑤リグニンスルホン酸塩の基本構造と構造模型 2.2.3 腐食抑制機構の解析 2.2.4 軟鋼の腐食に対するリグニンスルホン酸塩の腐食抑制効果 2.3 そのほかの腐食抑制剤 コラム⑥腐食抑制剤の錯体化学的な見方(その1):HSAB則 3. 天然物ポリフェノール系高分子腐食抑制剤(タンニン酸,(比較として,活性中心の低分子系)没食子酸など) 3.1 タンニン酸などの脱酸素試験 3.2 タンニン酸溶液の紫外・可視吸収スペクトルとpH コラム⑦腐食抑制剤の錯体化学的な見方(その2):配位子の強さ 3.3 タンニン酸使用時の腐食重量減試験 3.4 タンニン酸の電気化学的測定,物理化学測定,表面分析 3.4.1 電気化学測定 3.4.2 表面分析 コラム⑧腐食抑制剤の錯体化学的な見方(その3):配位子による影響 3.4.3 錯形成試験 3.4.4 実験ボイラーでの試験 3.4.5 タンニン酸の腐食抑制機構の可能性とその検討 コラム⑨マルトオリゴ糖による脱酸素反応機構 3.5 タンニン酸の腐食抑制効果 4. 合成ポリフェノール系高分子腐食抑制剤 4.1 脱酸素試験 4.2 腐食重量減試験 4.2.1 室温常圧における腐食重量減試験 4.2.2 高温,高圧条件での腐食重量減試験 4.2.3 ボイラー試験 4.3 物理化学的測定 4.3.1 分極曲線 4.3.2 自然電位の経時測定 4.3.3 交流インピーダンス測定 4.4 全有機炭素測定 4.5 電気化学測定および表面分析 4.5.1 室温常圧での電気化学測定および表面分析 4.5.2 高温高圧での電気化学測定および表面分析 4.6 合成ポリフェノールの腐食抑制効果 コラム⑩ポリフェノールといえば,「抗酸化食品因子」 5. 合成高分子腐食抑制剤(カチオン系,共重合体系も含む) 5.1 腐食速度と腐食抑制率 5.2 重合体ごとの検討 5.2.1 単独重合体の検討 5.2.2 二元共重合体の検討 5.2.3 三元共重合体の検討 コラム⑪多用されるポリアクリル酸およびそのナトリウム塩 5.3 ポリアクリル酸系腐食抑制剤の物理化学的測定および表面分析 5.3.1 LC水条件の場合 5.3.2 HC水条件の場合 5.4 高分子の分子構造と腐食抑制能 コラム⑫ポリビニルピリジン塩酸塩の腐食抑制剤 6. 合成ポリカフェ酸と合成ポリアクリル酸の複合系腐食抑制剤(ポリフェノール+ポリアクリル酸(4+5)の複合系) 6.1 腐食重量減試験 6.1.1 LC水条件の場合 6.1.2 HC水条件の場合 6.2 物理化学的測定および表面分析 6.2.1 LC水条件の場合 コラム⑬複合的な合成高分子系の腐食抑制剤・ 6.2.2 HC水条件の場合 6.3 アクリル酸/カフェ酸アミド系二元共重合体およびその類縁体の腐食抑制能 7. 高分子間コンプレックス(PPC)系腐食抑制剤 7.1 コンプレックスの形成確認 7.2 腐食重量減試験および吸着試験 7.2.1 LC水条件の場合 7.2.2 HC水条件の場合 7.3 電気化学的測定,物理化学的測定および表面分析 7.3.1 LC水条件の場合 7.3.2 HC水条件の場合 7.4 高分子間コンプレックス(PPC)系腐食抑制剤の腐食抑制能 コラム⑭合成高分子間コンプレックスの誕生 8. 水の安定度指数と腐食抑制剤との関係 8.1 安定度指数~水質因子(シリカと塩素イオン)~腐食性 8.1.1 試験溶液 8.1.2 腐食重量減試験 8.1.3 安定度指数や腐食速度に及ぼすシリカおよび塩素イオンの影響 8.2 安定度指数の補正 8.3 安定度指数の数値解析 8.4 水の安定度指数と腐食抑制剤との関係 コラム⑮数値解析の思い出 9. おわりに 引用・参考文献 索引