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オランダの文豪が見た大正の日本

ルイ・クペールス  著

國森 由美子  翻訳
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \2,860(税込)         
発行年月 2019年10月
出版社/提供元
作品社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 350p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/ドイツ文学
ISBN 9784861827693
商品コード 1031003818
NDC分類 949.35
基本件名 日本-紀行・案内記
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2019年11月5週
書評掲載誌 朝日新聞 2020/01/18
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1031003818

著者紹介

ルイ・クペールス(著者):1863〜1923年。オランダ生まれ。作家。オランダ王家勲章を二度受勲。イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、東インド、英国、北アフリカなど、旅続きの生活を過ごした。

内容

長崎から神戸、京都、箱根、東京、そして日光へ。
東洋文化への深い理解と、美しきもの、弱きものへの慈しみの眼差しを湛えた、ときに厳しくも温かい、五か月間の日本紀行。
写真70点収録!


 春はいまだ寒い。樟はその艶のある葉を震わせている。その葉を摘み、われわれは樟脳の香を確かめる。細く美しい――日本の――笹は、けば立ち少し波うったような、すこぶる長いダチョウの羽のように、束になって地面に密生し、岩の上に飾り物のような姿を見せている。藤――オランダ語で「青い雨」――は、いまだ黙したままだ。一世紀の間、身をよじらせてきた幹は、さらに螺旋を描いて伸び、その枝を蔓棚や東屋の棚に蛇のように絡ませ、最初の一葉、またそれが花房となるのを待ちながら裸身を晒している。そして、身を切るような風の中、今年初めての桃の花は、紫色に、身震いする小枝の間で、まき散らされ吹き飛ばされるかのごとく、幽く寒さに震えている。(…)それから、たいてい傍らに庭石を飾りに添えた盆栽のある庭がある。そしてわれわれにお辞儀をする女性たちは艶やかな髪を結い上げ、干し物をしている。(本書より)

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