著者紹介
サビーネ・フリューシュトゥック(著者):【著者】サビーネ・フリューシュトゥック
Sabine Fruhstuck/1965年生まれ。ウィーン大学大学院博士課程修了。博士(日本社会学)。カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授。専門は近現代日本文化研究。主要編著に、Gender and Sexuality in Modern Japan (Cambridge University Press, 2022)、Uneasy Warriors:Gender, Memory and Popular Culture in the Japanese Army (University of California Press, 2007、『不安な兵士たち』原書房、2008として邦訳)、Recreating Japanese Men (University of California Press, 2011、『日本人の「男らしさ」』明石書店、2013として邦訳)など多数。
中村 江里(翻訳):【訳者】中村 江里(なかむら・えり)
1982年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。専門は日本近現代史。主要編著に、『戦争とトラウマ』(吉川弘文館、2018)、『戦争と文化的トラウマ』(日本評論社、2023)、Traumatic Pasts in Asia (共著、Berghahn Books, 2021)など。
箕輪 理美(翻訳):【訳者】箕輪 理美(みのわ・さとみ)
1984年生まれ。デラウェア大学大学院歴史学科博士課程修了。博士(歴史学)。白百合女子大学文学部准教授。専門はアメリカ史、ジェンダー・セクシュアリティ研究。主著に、「十九世紀アメリカにおけるフリー・ラヴ思想」(荒木和華子・福本圭介編著『帝国のヴェール』(明石書店、2021年所収)、“‘Free Love’ in Sectional Debates over Slavery in Mid-Nineteenth-Century America,” (The Japanese Journal of American Studies 31号、2020年)など。
嶽本 新奈(翻訳):【訳者】嶽本 新奈(たけもと・にいな)
1978年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。博士(学術)。お茶の水女子大学ジェンダー研究所特任講師。専門は日本ジェンダー史、ジェンダー研究。主著に、『「からゆきさん」』(共栄書房、2015年)、「『からゆきさん』再読─ 「生まない女」に着目して」『現代思想 総特集 森崎和江』50巻13号、2022年11月臨時増刊号所収)など。
内容
軍事大衆文化のなかで動員される子供のイメージはいかなるものであったのか
---日清・日露の戦争ごっこから現在の安全保障問題と萌えミリまで
子どもや子ども時代が、いかに象徴的なものとして構造化され軍国主義への強力な修辞の道具として機能してきたかを検証する。
本書では、近現代日本における軍国主義と平和化の過程で、権力者が子どもをどのように利用してきたかが描き出されている。著者が提唱する「感情資本」とは、大人が子どもに対して持つべき感情とともに、子どもに帰属する感情のことであるが、このような「感情資本」は、日本の日清・日露の戦争勝利、太平洋戦争、連合国による日本占領、そして現代の世界的な平和創造へ決定的な役割を果たしてきた。絵本や地図、広告ポスターなどさまざまな図像を示しながら鋭く迫る。
○目次
目次
序章 傷つきやすさの仮説
Ⅰ部 戦争ごっこ
第1章 陣取りゲーム
第2章 紙の戦争
Ⅱ部 戦争のイメージ
第3章 無邪気さという道徳的権威
第4章 戦争をクィアする
終章 ピンク色の赤ちゃんのルール
文献
訳者あとがき