【MeL】ブリューゲルと季節画の世界
森 洋子 著
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内容
目次
口 絵 献 辞 凡 例 第Ⅰ章 北ヨーロッパの彩飾写本(聖務日課書と時禱書)の月暦行事と農事 一月/二月/三月/四月/五月/六月/ 七月/八月/九月/一〇月/一一月/一二月 第Ⅱ章 一六世紀ドイツの月暦版画 はじめに 1 六つの月暦版画シリーズの制作者たちについて (1) ハンス・ゼーバルト・ベーハム(Hans Sebald Beham, 1500-50) (2) ハンス・ゼーバルト・ベーハムの工房 (3) ヴィルギル・ゾーリス(Virgil Solis, 1514-62) (4) ハンス・ゼーバルト・ベーハムの追随者 (5) フランツ・イザーク・ブルン(Franz Isaac Brun, c. 1535-1610/20) (6) ヨスト ・ アマン(Jost Amman, 1539-91) 2 各月暦版画シリーズの比較分析 一月/二月/三月/四月/五月/六月/ 七月/八月/九月/一〇月/一一月/一二月 第Ⅲ章 一六世紀の都市の市民生活を語る月暦画133 A ルーヴェンの《月暦画付き天文時計》 はじめに 1 月暦画図像の内容分析 (1) 制作者について (2) 板絵の四隅の画像 (3) 一二カ月の営み 一月・二月・三月・四月・五月・六月・ 七月・八月・九月・一〇月・一一月・一二月 2 周縁の七惑星の子供たちと黄道十二宮との関係 (1) 土星の子供 (2) 木星の子供 (3) 火星の子供 (4) 太陽の子供 (5) 金星の子供 (6) 水星の子供 (7) 月の子供 B 連作「アウグスブルクの月暦画」 はじめに 1 作品成立の背景 156 (1) 制作者と制作年代 (2) 範例となったイェルク・ブロイ(父)の下絵素描 (3) 連作「アウグスブルクの月暦画」の注文者の推定 2 四点の作品分析 (1)《一、二、三月》 (2)《四、五、六月》 (3)《七、八、九月》 (4)《一〇、一一、一二月》 第Ⅳ章 諺に“読む”一六世紀北ヨーロッパの月暦図像 一月/二月/三月/四月/五月/六月/ 七月/八月/九月/一〇月/一一月/一二月 第Ⅴ章 ブリューゲルの二素描《春》《夏》とフランドルの月暦図像の伝統 下絵素描、版画《春》《夏》と油彩画連作「季節画」の関連 A 《春》一五六五年 (1)「三月」写本との比較――造園 (2)「三月」版画との比較――柵や籠用の枝の伐採、枝集め (3)「四月」写本との比較――羊の毛刈りと放牧 (4)「四月」版画との比較――市民の「庭園での愛の語らい」、羊の放牧 (5)「五月」写本との比較――園遊と舟遊び (6)「五月」版画との比較――森への散策、舟遊び、ピクニック B 《夏》一五六八年 (1)「六月」写本との比較――野菜や果実の収穫 (2)「六月」版画との比較――羊の毛刈り (3)「七月」写本との比較――干草の収穫と収納 (4)「七月」版画との比較――干草の収穫と休息 (5)「八月」写本との比較――穀物の収穫 (6)「八月」版画との比較――穀物の収穫 付 記 第Ⅵ章 ブリューゲルの連作「季節画」 1 連作「季節画」(一五六五年)の位置づけ (1) 代表作としての連作「季節画」 (2) 制作時期と描かれた背景 2 注文者ニクラース・ヨンゲリンクの別荘と連作「季節画」 3 フローリスとブリューゲルの対峙 4 連作「季節画」に関するドキュメント 5 連作の作品数の議論 6 連作の月の同定と題名の議論 (1) 連作の月の同定の議論 (2) 連作の題名の議論 7 展示の方法の議論 8 グランヴェル枢機卿との関係 9 連作「季節画」に共通する画面構成と農作業への鋭い観察 10 《暗い日》一五六五年 (1) 画面構成と地面の表現 (2) 柴刈りと剪定 (3) 若い農民夫婦と子供 (4) 詳細な村落の構造 (5) 早春の嵐と難破船 (6) 城塞と山岳風景 (7) 伝統的な月暦図像との比較 11 《干草の収穫》一五六五年頃 (1) 画面構成と地面の表現 (2) 干草作りの作業過程 (3) 農村と農家の構造 (4) 野菜や果実の収穫物を運ぶ農民 (5) 村の弓術大会 (6) 植物描写の特色 (7)「季節画」の舞台と今日のパヨッテンラント (8) 伝統的な月暦図像との比較 12 《穀物の収穫》一五六五年 (1) 画面構成 (2) 麦畑で使う鎌の種類 (3) 農民たちの昼食 (4) パヨッテンラントに“息づく”ブリューゲルの穀物畑 (5) 伝統的な月暦図像との比較 (6) 昼寝する農民 13 《牛群の帰り》一五六五年 (1) 画面構成と地面の表現 (2) 牧人たちと家畜 (3) 後ろ姿の人間と家畜 (4) 中世の重厚な城塞 (5) 虹のある風景 (6) 絞首台の出現 (7) 伝統的な月暦図像との比較 (a) 仕掛けられた鳥罠 (b) 三カ所の葡萄畑での収穫 (c) 豚の飼育 14 《雪中の狩人》一五六五年 (1) 画面構成 (2) 冬景色と村の生活 (3) 帰路につく狩人 (4) 豚の畜殺に関する作業 (5) 伝統的な月暦図像との比較 15 連作「季節画」の諸解釈をめぐって (1) 宗教的解釈 (2) 新たな自然表現の確立 16 ブリューゲルの農民観 (1) 愛読されたウェルギリウスの『農耕詩』 (2) 一六世紀ネーデルラントの逸名詩人による農民讃歌 (3) 修辞家集団の「垣根芝居」(haagspel)が讃える農業論 (4) 農民との結婚の推奨 (5) 農民の任務 (6) 農民に関するオランダ語の諺 (7) モンテーニュの農民論 第Ⅶ章 ポスト・ブリューゲルの月暦画の世界 はじめに 1 アルクマールの逸名画家の連作「月暦画」 ―民衆の生活に密着して 2 ヴァン・ヴァルケンボルフ兄弟の月暦画 ―ブリューゲル様式と図像の影響 3 マールテン・デ・ヴォスの月暦版画 ―擬人像的人物の導入と市民生活の反映 4 ハンス・ボルの円形の月暦版画とアーベル・フリンメルの量産化された小型月暦画 5 ヤン・ヴァン・デ・ヴェルデ二世の月暦風景版画 ―月次行事は風景表現の一要素 6 コルネーリス・デュサルトの月暦風俗版画 ―民衆の祭りや愉しみを中心として 7 ベネディクトボイエルン修道院「祝祭の広間」の月暦画の図像学 ―キリスト教的コスモロジーの中で (1)「祝祭の広間」の図像プログラム (2) マクロコスモスとしてのキリスト教のアレゴリー (a) 四大(四要素) (b) 鉱物と天体の寓意 (c) 人間の寓意的凱旋行列 (3) 「人間の運命の循環」シリーズ (4) 一二カ月の行事 一月・二月・三月・四月・五月・六月・ 七月・八月・九月・一〇月・一一月・一二月 まとめ 補 遺 最新のブリューゲル研究状況 はじめに 1 「ブリューゲル・サクセス・ストーリー」シンポジウムでの研究発表 2 「ブリューゲル:巨匠の手」展の国際シンポジウム 3 ブリューゲルの生涯のドキュメント 初出一覧 あとがき 注 参考文献 クレジット 人名索引