著者紹介
莫言(著者):一九五五年、山東省高密県に農民の子として生まれる。幼くして文革に遭い、小学校を中退。兄の教科書や旧小説で文学に目覚める。七六年に人民解放軍に入隊。八五年に『透明な赤蕪』でデビュー。翌八六年、『赤いコーリャン』で、倫理を超える農民の生命力を描いて絶賛される。以後、『天堂ニンニクの芽騒動』『酒国』『豊乳肥臀』『至福のとき』『四十一炮』『転生夢現』『蛙鳴』など、多作な作家として文壇の最先端を行き、本作は中国国内で第一回鼎鈞文学賞を受賞した。多くの著作が欧米はじめ世界各地で翻訳され、高い評価を得ている。二〇一二年、ノーベル文学賞受賞。
吉田 富夫(翻訳):一九三五年広島県生まれ。六三年京都大学大学院修了。佛教大学文学部名誉教授。現代中国研究会会長。中国現代文学専攻。著書に『五四の詩人王統照』(同朋社)、『反転する現代中国』『魯迅点景』(ともに研文出版)、訳書に賈平凹『廃都』、(中央公論新社)、莫言『豊乳肥臀』(平凡社)、『蛙鳴』『白檀の刑』(ともに中央公論新社)など。