著者紹介
安田 浩一(著者):1964年生まれ。産湯は伊東温泉(静岡県)。週刊誌記者を経てノンフィクションライターに。『ネットと愛国』(講談社+α文庫)で講談社ノンフィクション賞、「ルポ 外国人『隷属』労働者」(月刊「G2」記事)で大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞。『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『ヘイトスピーチ』(文春新書)、『学校では教えてくれない差別と排除の話』(皓星社) 、『「右翼」の戦後史』(講談社現代新書)、 『団地と移民』(KADOKAWA)、『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日文庫)他、著書多数。
取材の合間にひとっ風呂、が基本動作。お気に入りは炭酸泉。
金井 真紀(著者):1974年生まれ。テレビ番組の構成作家、酒場のママ見習いなどを経て2015年より文筆家・イラストレーター。任務は「多様性をおもしろがること」。著書に『世界はフムフムで満ちている』『酒場學校の日々』(ともに皓星社)、『はたらく動物と』(ころから)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『虫ぎらいはなおるかな?』(理論社)、『マル農のひと』(左右社)、『世界のおすもうさん』(共著、岩波書店)など。挿画の仕事に「日本語をつかまえろ!」シリーズ(毎日新聞出版)など。
銭湯では、好きだったサッカー選手・松田直樹の背番号にちなんで3番の下駄箱を使用する。
内容
タイ、沖縄、韓国、寒川(神奈川)、大久野島(広島)――
あの戦争で「加害」と「被害」の交差点となった温泉や銭湯を各地に訪ねた二人旅。
ジャングルのせせらぎ露天風呂にお寺の寸胴風呂、沖縄最後の銭湯にチムジルバンや無人島の大浴場……。
至福の時間が流れる癒しのむこう側には、しかし、かつて日本が遺した戦争の爪痕と多くの人が苦しんだ過酷な歴史が横たわっていた。
■タイ…………ジャングル風呂と旧泰緬鉄道
■沖縄…………日本最南端の「ユーフルヤ―」
■韓国…………沐浴湯とアカスリ、ふたつの国を生きた人
■寒川…………引揚者たちの銭湯と秘密の工場
■大久野島……「うさぎの島」の毒ガス兵器
嗚呼、風呂をたずねて四千里――風呂から覗いた近現代史