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過去をもつ人

荒川 洋治  著

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価格 \2,970(税込)         
発行年月 2016年07月
出版社/提供元
みすず書房
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 227p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784622085201
商品コード 1021583102
NDC分類 914.6
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2016年08月4週
書評掲載誌 産経新聞 2016/07/24、朝日新聞 2016/09/04、毎日新聞 2016/11/06
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1021583102

著者紹介

荒川 洋治(著者):1949年福井県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。現代詩作家。「渡世」で第28回高見順賞、「空中の茱萸」で第51回読売文学賞、「心理」で第13回萩原朔太郎賞受賞。

内容

この三年間に発表されたエッセイのなかから、読書にかかわる61編を選び、書き下ろし「銅のしずく」を添えた。『読書について』からショーペンハウアーの以下の言葉が引用される。「書く力も資格もない者が書いた冗文や、からっぽ財布を満たそうと、からっぽ脳みそがひねり出した駄作は、書籍全体の九割にのぼる。」その上で、二世紀後の日本の読書は、どうか。「いまは一般的読書が支配。本らしい本を読む人は少ない。読書が消えた時代だ。静かだ。読書とは何かを「考える」ときなのかもしれない。」また、文学像について。「文学全集がなくなったあと、風景は一変した。個々の作家を読むことだけで、文学像がつくられるようになった。てもとの本だけが光り、過去のものへの視線が消えうせる。(…)おおきなできごとのあとで、詩人や作家たちが、いわば文学「特需」の詩文を順風のなか量産したようすを見て、文学像を形成する人はどうか。あの日以後この国は変わった、私も目覚めたという人たちの一見すなおだが、よく見ると底の浅い単純な詩文。それらを批判的に見つめることは、単純なものに魅せられた読者にはできないだろう。」文章とことばの新しい情景をつねに視野に入れてきた荒川洋治が、本を読む人におくる、きびしくもあたたかい一冊。

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