急性呼吸不全(救急・集中治療アドバンス)
内容
目次
1章 急性呼吸不全の病態 1-1 急性呼吸窮迫症候群 (河村 岳,山田芳嗣) 1ARDSの病態 2 ARDSの定義 3 病態と定義の乖離 4 今後の課題 1-2 慢性閉塞性肺疾患の増悪と気管支喘息発作 (蝶名林直彦,仁多寅彦,西村直樹) 1 COPDの増悪と治療上の注意点 2 気管支喘息発作と治療上の注意点 1-3 間質性肺炎の急性増悪 (近藤康博) 1 急性増悪の病態と診断基準 2 治療 3 予後 1-4 術後呼吸不全 (下薗崇宏,讃井將満) 1 定義 2 原因,機序 3 リスク因子 4 予防 5 治療 1-5 胸部外傷による急性呼吸不全 (中原貴志,鶴田良介) 1 胸部外傷の初期評価で行う検査 2 急性呼吸不全をきたす胸部外傷 1-6 人工呼吸器関連肺傷害 (吉田健史) 1 stressとは 2 stressの肺内分布 3 人工呼吸器関連肺傷害(VALI)の構成要素 1-7 人工呼吸器関連肺炎 (志馬伸朗,細川康二) 1 定義と疫学 2 診断 3 VAP発症の予後への影響 4 新しいサーベイランス指標 5 病態生理 6 予防法とエビデンス 7 治療 1-8 人工呼吸の循環への影響 (橘 一也,竹内宗之) 1 静脈還流量と心拍出量 2 自発呼吸が循環に及ぼす影響 3 陽圧換気が循環に及ぼす影響 4 左心不全症例の自発呼吸の影響 5 左心不全症例への陽圧換気 6 肺傷害が循環に及ぼす影響:陽圧換気と右心機能 2章 換気様式とパラメータ 2-1 アシストコントロール換気 (星 邦彦) 1 アシストコントロール換気の概念 2 量制御,圧制御:どちらを選ぶ? 3 アシストコントロール換気の欠点を補う換気モード 2-2 間欠的強制換気 (大塚将秀) 1 間欠的強制換気(IMV)とは 2 同期式間欠的強制換気(SIMV) 3 臨床応用とその注意点 4 設定の実際 2-3 圧支持換気 (長江正晴,江木盛時) 1 圧支持換気(PSV)とは 2 PSVの作動 3 PSVの利点 4 PSVの立ち上がり時間の調整 5 PSVを使用しない患者 6 PSVによって呼吸仕事量が軽減しているかどうかを評価する方法 7 吸気トリガー(圧トリガー,流量トリガー) 8 呼気トリガー(termination criterion) 9 PSVを用いたウィーニング 2-4 呼気終末陽圧 (中川 聡) 1 静的圧容量曲線と肺容量 2 高いPEEPと低いPEEP 3 最良のPEEPの選択方法 2-5 逆比換気 (盛 直博,桑迫勇登) 1 逆比換気(IRV)の定義 2 IRVにおける酸素化改善のメカニズム 3 IRVの換気設定における考え方 4 IRVの換気設定の実際 5 IRVを使用してもガス交換能が改善しない理由 6 IRVの考えられうる副作用 7 動物および臨床データによるIRVのエビデンス 2-6 人工呼吸器との同調性 (内山昭則) 1 不同調の診断法 2 不同調の分類 3 吸気トリガー相の不同調 4 換気モードと不同調 5 吸気相の不同調 6 吸気から呼気への転換相(吸気サイクルオフ相)の不同調 7 不同調の影響 2-7 非侵襲的陽圧換気 (方山真朱,布宮 伸) 1 NPPVのメカニズム 2 NPPVで用いる換気モード 3 NPPVの適応と禁忌,管理上の注意点 4 NPPVが有効な疾患 3章 特殊な人工呼吸様式 3-1 high frequency oscillatory ventilation(HFOV) (中根正樹) 1 high frequency oscillatory ventilation(HFOV)とは 2 HFOVの原理 3 成人でHFOVが可能な人工呼吸器 4 成人ARDSに対するHFOVの有用性 5 ARDS以外の患者へのHFOVの適応 3-2 airway pressure release ventilation(APRV) (小谷 透) 1 APRVの「定義」と換気メカニズム 2 APRVの設定方法 3 APRVはなぜ必要か? 4 APRVの適応と世界での使用状況 5 APRV使用上の注意点と問題点 3-3 proportional assist ventilation(PAV) (齋藤伸行) 1 PAV開発の経緯 2 換気メカニズムと動作原理 3 使用上の注意 4 PAVモードの活用 3-4 neurally adjusted ventilatory assist(NAVA) (小寺厚志) 1 NAVAの原理および換気メカニズム 2 臨床データ 3 適応と使用上の注意点 3-5 tracheal gas insufflation(TGI) (今中秀光) 1 メカニズム 2 方法 3 臨床データ 4 注意点 5 TGI中のモニタリング 4章 人工呼吸中の管理 4-1 人工呼吸の適応 (萩谷圭一,水谷太郎) 1 人工呼吸管理の適応となる各病態について 2 人工呼吸開始の判断 3 NPPVか,気管挿管か 4-2 肺保護的換気法 (吉田健史) 1 肺保護的換気法とは 2 肺保護的換気法を補助する治療 4-3 ウィーニングと抜管基準 (小野寺睦雄) 1 離脱開始の基準 2 自発呼吸トライアル(SBT) 3 抜管 4 人工呼吸からの離脱を促進する方法はあるのか? 4-4 鎮静,鎮痛 (土井松幸) 1 人工呼吸中の鎮静,鎮痛の目的 2 疼痛の管理 3 不穏の管理 4 せん妄の管理 5 気管挿管下人工呼吸での鎮静法 6 非侵襲的陽圧換気(NPPV)での鎮静法 4-5 筋弛緩 (内山昭則) 1 急性呼吸不全と筋弛緩薬の歴史 2 自発呼吸努力を温存した人工呼吸の利点 3 筋弛緩の利点 4 筋弛緩施行時の注意点など 4-6 腹臥位療法 (柴田純平,西田 修) 1 腹臥位の生理学的利点 2 人工呼吸器関連肺傷害(VALI)の予防 3 腹臥位療法のエビデンス的意義 4 腹臥位療法の適応とその条件 5 腹臥位療法実施における合併症と注意点 4-7 分離肺換気 (岡原修司,森松博史) 1 分離肺換気とは 2 適応 3 分離肺換気の実際 4 疾患別の留意点 5 分離肺換気の合併症 4-8 加温・加湿 (平尾 収,富田敏司) 1 加温・加湿が必要な理由 2 人工呼吸中の推奨加湿レベル 3 加温加湿器 4 人工鼻 4-9 モニタリング (渡邊具史,川前金幸) 1 経皮的酸素飽和度(SpO2) 2 呼気終末二酸化炭素モニタリング(PETCO2) 3 人工呼吸器のグラフィックモニター 4 electrical impedance tomography( EIT) 4-10 小児の人工呼吸 (文 一恵,竹内宗之) 1 小児の呼吸器系の解剖学的・生理学的特徴 2 小児の呼吸不全とARDS 3 小児の人工呼吸管理の実際と問題点 4-11 麻酔中の人工呼吸 (森松博史) 1 麻酔中および術後呼吸器合併症 2 麻酔による肺容量と呼吸の変化 3 麻酔中の無気肺の予防と肺血流 4 集中治療室での肺保護的換気 5 麻酔中の肺保護的換気のエビデンス 4-12 人工呼吸患者の搬送 (中村利秋~ 1 患者搬送の問題点 2 病院間搬送における有害事象と対策 3 院内搬送における有害事象と対策 4 用手換気と機械換気の違い 5 搬送用人工呼吸器 5章 extracorporeal membrane oxygenation(ECMO) 5-1 ECMOの概要 (市場晋吾) 1 定義 2 ECMOに関連する用語 3 ECMOの歴史 4 現代の治療成績およびエビデンス 5 ECMOの種類 6 ECMOの今後 5-2 VV-ECMOの適応と今後の展望 (梅井菜央,竹田晋浩) 1 急性重症呼吸不全に対するVV-ECMOの適応 2 VV-ECMOの今後の展望 6章 急性呼吸不全の薬物療法 6-1 ステロイド療法 (松田直之) 1 グルココルチコイド受容体の抗炎症作用 2 急性呼吸不全に対するステロイド療法 3 敗血症性ショックにおけるステロイド療法 6-2 特殊医療ガス付加療法 (藤野裕士) 1 一酸化窒素 2 ヘリウム 3 他のガス 6-3 その他の薬物療法 (橋本 悟) 1 サーファクタント 2 タンパク分解酵素阻害薬 3 抗凝固薬 4 スタチン 5 β2刺激薬 6 抗免疫療法 7 同種幹細胞による治療 8 その他 付録 1.加温加湿器一覧 (平尾 収,富田敏司) 2.HMEF一覧 (平尾 収,富田敏司)