内容
大乗仏教では多数の諸仏・諸菩薩・諸天などが登場するが、そのほとんどが男性である。しかし、なかにはごく少数だが、吉祥天や弁財天などの女性もいる。これが密教になると、その数が急増する。こうした仏教における女性尊格(「女神(じょしん)」ないし「女尊(じょそん)」)のうち、①ターラー、②孔雀明王、③准胝観音、④鬼子母神、⑤吉祥天と弁財天を取り上げ、そのルーツから、仏教に取り込まれた経緯、仏教内での位置づけとその役割、さらにインド・ネパール・チベット・日本などでの信仰・美術・マンダラ・供養法などを総合的に解説する。図版100点。