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ことばを紡ぐための哲学~東大駒場・現代思想講義~

中島 隆博, 石井 剛  著

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価格 \2,200(税込)         
発行年月 2019年04月
出版社/提供元
白水社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 215p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/哲学/概論・参考図書
ISBN 9784560096734
商品コード 1029785426
NDC分類 104
基本件名 哲学
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2019年06月2週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029785426

著者紹介

中島 隆博(著者):1964年生まれ。東京大学東洋文化研究所教授。著書に「悪の哲学」など。
石井 剛(著者):1968年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に「戴震と中国近代哲学」など。

内容

ことばの過剰に抗して

 いま世界を覆っているのは、真実の声をかき消すほどの過剰なことばの氾濫である。インターネットでSNSを開くと、そこには匿名性をいいことに罵詈雑言が溢れ、次々に「炎上」が起こり、敵が敵を生んでいく。ことばへの応接はかつてないほど困難を極めている。
 本書は、東京大学教養学部で行なわれた講義「グローバル化時代の現代思想」をもとにしている。きっかけは、2011年の東日本大震災と原発事故だった。
 この災害を近代の必然ととらえたとき、「人文学」はいかなるあり方が可能なのか? 日常の感覚から思考を再出発し、学問の世界にもう一度、人間を取りもどすこと――その試みが本書ということになる。
 食べる、味わう、話す、聞く、触れる、知る、分ける、待つ、耐える、歌う、忘れる、書く、隠れる……
 ことばの過剰と氾濫から解放されたとき、近代社会が忘れた行為が恢復していく。福澤諭吉が軽んじた「味わう」という行為、「待つ」ことの背後にあった世界の持続、まだ「歌う」ことはできるのかという根源的問い、「隠れる」ことが孕む可能性。ともに生きる自由への珠玉の講義録。