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書評掲載

太れば世界が終わると思った

キム・アンジェラ  著

高原美絵子, 西野明奈  翻訳
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価格 \1,650(税込)         
発行年月 2021年07月
出版社/提供元
扶桑社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 236p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/中国文学
ISBN 9784594088385
商品コード 1033469766
NDC分類 929.16
基本件名 摂食障害-闘病記
書評掲載誌 朝日新聞 2021/10/30
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033469766

著者紹介

キム・アンジェラ(著者):キム・アンジェラ
1985年生まれ。徳成女子大学で衣装デザインを専攻し、オーストラリアへの留学を経験。
雑誌『Esquire(エスクァイア)』の特集記事や『Woman Sense(ウーマンセンス)』の編集に携わった。一定の審査をクリアした書き手だけが投稿できるサイト「brunch(ブランチ)」に「ルンジ」というペンネームで参加している。17年間、過食症を患う。

内容

<鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争>

17年におよぶ摂食障害と向き合い
自分の心を見つめ直した
韓国人女性の記録

美しい体って、誰が決めるの?

第一章 過食症を患う
虫になる/わたしはもともと、あばらちゃんだったんだから/ダイエットをやめられなかった/はじめての嘔吐/食欲という怪物/悪循環のループ/過食型拒食症/精神科での治療開始

第二章 摂食障害とともにやってくるもの
内向的であり、外省的/生まれつきの敏感さ/統制される生活/自己管理強迫/秩序への執着/痩せた体、もっと痩せた体/うつ病の洞窟のなかで/潔癖症のせいで/もう少しましな自分になりたかっただけ

第三章 美しい体って誰が決めるの
鏡のなかのわたし、写真のなかのわたし/オルセン姉妹とニコール・リッチー/映画やドラマのなかの摂食障害/摂食障害をラッピングするメディア/ヴィーナスとコルセット/「めちゃ痩せ」しなきゃ

第四章 わたしのなかで育つ恨みと痛み
母の最善/父の権威/わたしをダメにしてしまう/そんなに痛くない指/外見コンプレックスに陥る/生きてみたらわかってくること/家族になるための距離

第五章 両極端を経験して、自分なりのバランスを見つける
精神科治療の中断/わたしの話に耳を傾けてくれる人/シドニーに発つ/愚かな関係/失敗の記録/諦めて自由になる/しっかりとしていく生活/悪循環ではないが好循環でもない/新しい世界

【本書より】
もう一度鏡を見た。幼いころに映画で見た鏡のお化けはもういなかったけれど、代わりにほかのものがあった。わたしが決めた美の基準だ。それはわたしが鏡を見るたびにわたしの横に並んで立ち、わたしのことをせせら笑った。「でぶ」「その尻はなんなの」「二の腕の肉はどうするわけ?」「ぶさいく」基準はその時ごとに変わった。(中略)戦争がはじまった。鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争。