内容
◆第一句集
暖かし耳を模様と想ふとき
言葉は平明で難しいことは何も言っていない。けれども、俳句が初めて世界と出会ったような新鮮な瞬間が、それぞれの句に刻みつけられていると感じる。
序より・小川軽舟
◆自選十句
たんぽぽに小さき虻ゐる頑張らう
ロボットも博士を愛し春の草
春光や「深つ!」と少女谿覗く
せはしなくあをいてがみを読むひばり
ふるさとの風若がへる田植かな
水たまりわつしやんと踏み割れば夏
集まつてだんだん蟻の力濃し
炎帝へギリシャより来し火を捧ぐ
人類を地球はゆるし鰯雲
木犀や恋のはじめの丁寧語