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書評掲載

転の声

尾崎 世界観  著

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価格 \1,650(税込)         
発行年月 2024年07月
出版社/提供元
文藝春秋
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 162p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784163918822
商品コード 1038805295
NDC分類 913.6
書評掲載誌 産経新聞 2024/08/11
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038805295

内容

第171回芥川賞候補作。
「俺を転売して下さい」喉の不調に悩む以内右手はカリスマ”転売ヤー”に魂を売った⁉ ミュージシャンの心裏を赤裸々に描き出す。

主人公の以内右手は、ロックバンド「GiCCHO」のボーカリストだ。着実に実績をつみあげてきて、ようやくテレビの人気生放送音楽番組に初出演を果たしたばかり。しかし、以内は焦っていた。あるときから思うように声が出なくなり、自分の書いた曲なのにうまく歌いこなせない。この状態で今後、バンドをどうやってプレミアムな存在に押し上げていったらいいのだろうか……。
そんなとき、カリスマ転売ヤー・エセケンの甘い言葉が以内の耳をくすぐる。「地力のあるアーティストこそ、転売を通してしっかりとプレミアを感じるべきです。定価にプレミアが付く。これはただの変化じゃない。進化だ。【展売】だ」
自分のチケットにプレミアが付くたび、密かに湧き上がる喜び。やがて、以内の後ろ暗い欲望は溢れ出し、どこまでも暴走していく……
果たして、以内とバンドの行きつく先は?
著者にしか書けない、虚実皮膜のバンド小説にしてエゴサ文学の到達点。