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戦争と交渉の経済学~人はなぜ戦うのか~

クリストファー・ブラットマン  著

神月 謙一  翻訳
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \3,740(税込)         
発行年月 2023年07月
出版社/提供元
草思社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 546p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/社会科学/政治学/国際関係論
ISBN 9784794226624
商品コード 1036368927
NDC分類 319.8
基本件名 戦争
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2023年08月3週
書評掲載誌 朝日新聞 2023/09/16、日本経済新聞 2023/09/30
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1036368927

著者紹介

クリストファー・ブラットマン(著者):クリストファー・ブラットマン(Christopher Blattman)
シカゴ大学ハリス公共政策大学院教授。同校の開発経済センターの副センター長を務めている。経済学者、政治学者であり、その暴力、犯罪、貧困に関する世界的な研究は、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナル、フィナンシャルタイムズ、フォーブス、スレート、Vox、NPRなどで広く取り上げられている。
神月 謙一(翻訳):神月 謙一(かみづき・けんいち)
翻訳家。青森県生まれ。東京都立大学人文学部卒業。国立大学の教員を13年間勤めたのち現職。主な訳書に『私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット』(草思社)、『微生物・文明の終焉・淘汰』、『暇と退屈の心理学』(共にニュートンプレス)、『デジタル・エイプ』(クロスメディア・パブリッシング)、『格差のない未来は創れるか?』(ビジネス教育出版社)、『INSPIRED』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

内容

平和とは、敵同士が損得勘定で
戦争を避けることにほかならない

戦争が起きる「5つの原因」を、ギャングの抗争から世界大戦までの幅広い実例と、ゲーム理論で解説。
「戦争がある世界」をリアルに理解し、実効ある「平和への道」を考えるための必読書。

戦争の原因は5つしかない

【推薦の言葉】

「ブラットマンは偉大なストーリーテラーであり、その洞察は我々全員にとって重要である」
――リチャード・セイラー(ノーベル経済学賞受賞者。『NUDGE 実践 行動経済学』著者)

「ブラットマンは、経済学や政治学の分析手法を、暴力に悩まされたコミュニティでの
広範な研究に応用することで、紛争の問題に重要な新しい視点を提供している」
――ロジャー・マイヤーソン(ノーベル経済学賞受賞者)

「最も重要なトピックに関する、最も重要な本」
――タイラー・コーエン(経済学者。『大格差』著者)

【内容より】
◎平和は必ずしも平等や公正を意味しない
◎取引で敵を譲歩させるのに必要なのは「脅す力」
◎敵が軍備拡張する前に攻撃したい…「予防戦争」
◎「女性リーダーは平和をもたらす」とは言えない
◎国連などの国際機関は戦争防止には無意味か
◎経済制裁・和平調停・PKO等に効果はあるか

暴力や戦争については、数十年にわたり、経済学や政治学、心理学で研究され、
さらには現実世界での介入の知見が蓄積されてきた。
そして、そこからいくつもの直観に反する洞察が得られている。
その1つが、「人々はめったに戦わない」ということだ。
世界には何百万もの敵対する集団の組み合わせがあるが、暴力に発展するのはそのごく一部に過ぎない。
ほとんどの敵同士は、取引で何らかの妥協をし、非暴力的に互いを憎み合うことを選択する。
理由は簡単で、戦争はコストがかかり過ぎるからだ。
戦争は、利害の対立を解決するには最悪の方法なのである。
2つ目の直観に反する洞察は、「戦争の原因は少ない」ということだ。
本書では、戦争の原因が、たった5つに類型化できることを示している。
取引を拒絶し、大きすぎるコストも厭わず戦争に突入する原因は、5つしかないというのだ。
では、どうすれば平和は実現するのか。
本書では、敵対する集団同士が平和を望んでいる場合には、驚くほど簡単に暴力は終結し、
ギャング同士でさえもそれを行っていることが示される。
より困難な状況下でも、先の「5つの原因」に取り組むことで、暴力の動機を減らし、
取引に向かう動機を増やせることが、実例とともに明らかにされる。
本書は、「戦争がある世界」をリアルに理解し、実効ある「平和への道」を考えるための必読書である。

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