内容
数学と物理には切っても切れない縁があり,物理を学ぶことで数学に,数学を学ぶことで物理に,新しい視点を得ることができる。本書は,「数学から物理を学び,物理から数学を学ぶ」をコンセプトとし,物理から生まれ,物理のために発展してきた面もある微分方程式を数学・物理の両面から眺めていく。 微分積分が生まれるきっかけとなった運動方程式から話をはじめ,微分方程式で記述できる多くの自然現象を紹介していく。次に,微分方程式の解の振る舞いを眺め,その後実際に解ける方程式については解き方を紹介する。さらに,微分作用素,関数解析,解析力学や物理学に現れる諸方程式といった高度な話題に触れる。最後に,微分方程式のコンピュータによる解法を紹介する。 微分方程式の応用に自信のない人や,微分方程式は解けるがいまいち実感のない人によっては強力な助け舟となるだろう。