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外食国際化のダイナミズム~新しい「越境のかたち」~

川端 基夫  著

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価格 \3,080(税込)         
発行年月 2016年01月
出版社/提供元
新評論
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 14p,312p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/社会科学/経営学/マーケティング・商業
ISBN 9784794810267
商品コード 1019445977
NDC分類 673.97
基本件名 外食産業
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2016年02月4週
書評掲載誌 日本経済新聞 2016/04/03
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1019445977

著者紹介

川端 基夫(著者):1956年生まれ。大阪市立大学大学院修了。博士(経済学)。関西学院大学商学部教授。著書に「アジア市場幻想論」など。

内容

近年、海外に進出する外食店が急増している。大手チェーンだけでなく、まだ国内に一、二店舗しかない近所のラーメン店も、香港やシンガポールに店を出す時代になっている。 筆者の調査によると、戦後の外食業の海外進出は、二〇一四年末までで何と一四〇〇件以上にも達する。驚くべきことは、その半数近くが、二〇一〇~一四年までの五年間の進出であったことだ。今まさに、空前の海外進出ブームが起きているといえよう。 進出先は、七割以上がアジア地域である。最近では、カンボジアやミャンマー、ラオスへの進出も見られる。業種を見ると、ラーメン店がトップで、居酒屋・定食屋・和食店がそれに続いている。うどん店や焼肉店も増えている。他方、伝統的な高級日本料理店の進出は減少している。今、海外では「大衆的な和食」が人気となっているのである。 このような外食業の国際化は、小零細企業が多いことが特徴となっており、その点が製造業による進出とは異なる。外食産業においては、肩肘張らずに、気軽に海外の消費者を相手に商売ができる時代になったのである。 では、なぜ資金も人材も制限された外食業が海外に進出できるのであろうか。その秘密は、海外でのサポーティング・インダストリー(支援産業)の増大と、フランチャイジングという進出手法の普及にある。その結果、個人経営のラーメン店が容易に海外に出店できる状況が生まれている。これは、まさに「新しい越境のかたち」の出現に他ならない。 本書は、海外に進出した多くの外食企業のヒヤリング調査を通して、国際化の現場で生じている大きな変化を明らかにし、それが有する可能性と課題を検討したものである。(かわばた・もとお)