著者紹介
原田裕規(著者):原田裕規(はらだ ゆうき) 1989年山口県生まれ。アーティスト。 とるにたらないにもかかわらず、社会の中で広く認知されている視覚文化をモチーフに作品を制作している。近年は日本ハワイ移民資料館、KAAT神奈川芸術劇場、京都芸術センター、金沢21世紀美術館などで個展を開催。「TERRADA ART AWARD 2023」でファイナリストに選出。作品収蔵先に広島市現代美術館、日本ハワイ移民資料館など。 単著に『とるにたらない美術』(ケンエレブックス、2023年)、編著に『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社、2013年)。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。
内容
やっぱり海は友だちだ──。誰よりも海を愛し、海に愛された画家、クリスチャン・リース・ラッセン。90年代、日本で巻き起こった絵画ブームを牽引したラッセンの作品は、当時の日本人にとって「アート」の代名詞として、ピカソやゴッホと並ぶほどに大きな知名度を獲得した。
日本デビューから30年強、その受容のかたちを変えながら、一貫して日本に愛されてきたラッセンはその知名度に反して、彼の本質は意外なほどに知られていない。
「サーファー画家」というイメージの形成、イルカとクジラという題材、絵画とアクアリウムという方法、日本における受容のされ方……。彼の人生の歩みを辿りながら、作家としての本質、そしてラッセンを愛した日本とは何だったのかを解き明かす決定的評伝。