公共政策学事典
内容
目次
●第1章:公共政策の基礎概念 1:「政策」の概念 「政策」とは何か/政策の種類/政策の形式/政策の要素/政策のステージ・モデル 2:公共政策の範囲 市場・政府・市民:3つのセクター/「公」と「私」の境界/民営化/ガバナンス 3:政策研究の歴史 政策研究の源流/政策学のはじまり/公共政策学の目的/海外の政策研究/日本における政策研究/政策関連の学会 4:社会問題と政策 ジェンダー/プライバシー/人の移動・政策課題としての移民・難民/自殺・孤独・孤立 ●第2章:公共政策と価値 1:代表的な主義・思想 功利主義/リベラリズム/リバタリアニズム/コミュニタリアニズム/卓越主義/フェミニズム/多文化主義 2:政策価値の衝突とその解決 価値多元論/一元論/トゥールミン・モデル/価値の指標化/多基準分析/多様な合意形成手法 3:政策と規範 政策規範とはなにか/政策規範の役割/非理想理論/政策決定者の倫理/政策実施者の倫理 4:大事な論点 計画主義/保守主義/パターナリズム/自己責任/動物倫理/社会的包摂/公共的理性/サステナビリティ 5:政治体制と政策 代議制民主主義と政策/直接民主主義と政策/地方分権(補完性原理)と政策/熟議民主主義と政策/ポピュリズムと政策 ●第3章:公共政策のプロセス 1:アジェンダ・セッティング アジェンダ・セッティングの主体/アジェンダ・セッティングのモデル/非決定権力/アジェンダ・セッティングとマスメディア/アジェンダ・セッティングとインターネット 2:政策の策定 政策分析/政策策定のための調査/予測/費用便益分析/政策デザインの考え方/政策のデザイナー/政策波及 3:政策の決定 合理的政策決定モデル/アイデアの政治/制度論/インクリメンタリズム/断続平衡論/政策の窓モデル/唱道連合フレームワーク/政策フィードバック 4:政策の実施 政策実施研究の歴史/第一線職員/ナショナル・レベルの政策実施/ローカル・レベルの政策実施/トランスナショナル・レベルの政策実施 5:政策の評価 政策評価の方法/政策評価の制度/評価の組織/政策評価の対象/地方自治体における政策評価/諸外国の政策評価 6:政策の終了 政策終了の概念/政策終了の理論/政策終了の事例 ●第4章:経済と政策 1:市場と公共政策 市場の失敗/政府の機能(資源配分、所得再配分、経済安定化)とは何か/政府間関係/政府の失敗/財政学と公共経済学 2:資源配分 外部性/情報の非対称性/公共財/不完全競争 3:再分配 格差と貧困/所得再分配/所得再分配と労働供給 4:景気安定化 経済安定化に関する考え方の変遷/財政政策/金融政策/経済成長 5:財政制度 財政の現状/財政赤字/地方財政の健全化 6:租税制度 租税制度/税の転嫁と帰着/税の中立性/所得税の後退と再生の可能性/消費税/資産税 ●第5章:社会と政策 1:福祉 福祉国家/福祉政策における主なアクター /国民皆保険制度/介護保険と後期高齢者医療制度/北欧の高福祉高負担/ベーシックインカム 2:医療 医療制度の発達/疾病保険制度/医療政策におけるアクター /医薬品に関する政策/諸外国の医療保障制度/公衆衛生政策:健康づくり/公衆衛生政策:公衆衛生 3:環境 環境保護運動のはじまり/環境政策における主なアクター /緑の党/環境ガバナンス/グリーン・リカバリー/地球温暖化問題/カーボンプライシング 4:教育・文化・スポーツ 教育政策/文化財の保存と継承/諸外国の文化政策/スポーツ政策/地方自治体の文化政策 5:まちづくり 景観/シャッター商店街と市街地活性化/観光政策/公民連携/多文化共生/コンパクトシティと持続可能な地域づくり/地域交通 ●第6章:危機と政策 1:安全保障政策 日本の安全保障・防衛政策/自衛隊/日米同盟/国際連合/経済安全保障/戦争/ハイブリッド戦/サイバー戦 2:外交政策 自主外交路線/経済外交/自由で開かれたインド太平洋(FOIP)/国際機構と地域機構/政府開発援助/非政府組織/平和活動/経済制裁/核政策 3:警察・治安政策 治安法制/組織犯罪/サイバー犯罪/国際犯罪/情報機関とインテリジェンス/テロリズム 4:消防・防災政策 日本の消防・防災関連組織/地域の消防・防災/地震対策・地震対応/気象予報/大規模災害の被害想定と対策/国民保護 5:感染症政策 日本の感染症危機管理の体制/日本の新型コロナウイルス対策/WHO/諸外国の感染症対策組織/パンデミック/日本の危機管理医薬品政策 ●第7章:公共政策の主体 1:立法府 国会議員と政策形成/地方議員と政策形成/政党システムと政策形成/政策をめぐる国会議員と首長/議会スタッフと政策形成/政権公約と政策形成 2:司法府 裁判所と政策形成 /政策をめぐる行政と司法 / 裁判所の人事/国民の司法参加 3:行政府 中央省庁における政策形成/自治体における政策形成/国の予算編成/自治体の予算編成/行政組織の理論・構造、官邸との関係/自治体組織の構造と理論/行政委員会と公共政策/独立行政法人/公営企業と公共政策/中央-地方関係/リージョナル・ガバナンス/公務員の人事管理/公務員の専門性/パブリック・リーダーシップ/PSM研究 4:社会セクターにおける政策主体 利益団体と政策形成/ NPO(Nonprofit Organization)と政策形成/市民参加/公共政策と信頼/自治会・町内会と政策形成/ソーシャルキャピタルと公共政策/シンクタンク/民間企業と公共政策 ●第8章:公共政策のツール 1:政策と法律 政策と法律との関係/憲法と公共政策/行政法と公共政策/政策法務 2:政策とお金 誘導型の政策手段(1)/誘導型の政策手段(2)/誘因型公共政策 3:デジタル化 電子政府/電子自治体/中央政府のDX(デジタル・トランスフォーメーション)/デジタル化/AIと政策 4:政策と情報 統計制度/統計組織/EBPM/オープン・ガバメント/知識活用/行動経済学の知見とナッジの政策活用 5:公文書管理・情報公開制度 文書の作成過程/公文書管理/情報公開法/情報公開条例/公会計と監査 ●第9章:公共政策研究の方法 1:数理・計量分析 公共政策研究における数理分析の歴史/公共政策研究における計量分析の歴史/傾向スコアマッチング/操作変数法・回帰不連続デザイン・差の差分法/構造方程式モデリング 2:実験アプローチ 公共政策研究における実験アプローチの歴史/ラボ実験/自然実験/フィールド実験/サーベイ実験/心理学的要素と実験 3:質的研究 公共政策研究における質的研究の歴史/質的研究における事例の選択方法/質的比較分析(QCA)/言説分析/オーラル・ヒストリー /質的研究と量的研究の統合 ●第10章:公共政策学の教育 1:政策系学部・大学院 諸外国での公共政策教育/日本での公共政策教育/政策系学部・大学院の拡大と連携/公共政策大学院 2:公共政策学のティーチング・メソッド 主権者教育における政策教育/ケースメソッド/政策提言・提案/インターンシップ 3:政策の研修 公務員の人材開発/人事院・中央省庁の研修/地方自治体の研修