内容
2年毎の改訂で,皮膚疾患の基本的治療方針,処方の実際から生活指導までを具体的に記し,最新の知見,治療にかかわるトピックスをわかりやすく解説する.本版では掲載項目を見直し,より見やすくわかりやすく整理した.新規項目として,おむつ皮膚炎・乳児皮膚炎や毛巣洞,Celsus禿瘡などを追加.巻頭トピックスでは「「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」の検証」など計7項目をフルカラーで取り上げ検証した.
【序 文】
『皮膚疾患最新の治療』は,2 年ごとに内容の見直しと執筆者の交代を行い,この度20巻目にあたる『皮膚疾患最新の治療2025-2026』を刊行することとなった.
最新かつ実践的な情報を発信するという編集コンセプトは,これまで同様,今回も堅持している.まず,本書の目次を一読すれば,日常診療で遭遇する機会の多い皮膚科疾患・皮膚病変を,疾患群ごとに章立て・項目立てし,コンパクトな分量のなかで扱っていることが理解いただけるものと思う.また,各論の記載では,治療を中心に置きつつ,「診断と検査」,「治療の一般方針」,「処方例」に加え,「生活指導」までを,統一的な記述スタイルで解説している.さらに,最新の知見・話題を「トピックス」として,また,エキスパートによる治療のコツ,知っておきたいワンポイントはそれぞれ「治療の奥の手」,「役に立つ豆知識」として,情報をコンパクトに凝縮し,数多く盛り込んでいる.こうしたコンセプトと編集スタイルが広く読者の支持を得て,本書を活用いただいているものと思う.今回は,最近の皮膚科領域での新薬の導入や疾患概念の変遷に合わせ,各論にいくつかの疾患項目を追加した.
本書の構成は疾患別が基本であるが,「巻頭トピックス」では毎回注目のテーマを取り上げている.今版では近年大きな進歩を遂げ,先生方の関心も高いテーマを中心に,「『原発性局所多汗症診療ガイドライン2023 年改訂版』の検証」,「『血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022(第3 版)』の検証」,「『尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023』の検証」,「『掌蹠膿疱症診療の手引き2022』の検証」,「『壊疽性膿皮症診療の手引き2022』の検証」,「『乳房外パジェット病診療ガイドライン2021』の検証」,「『化膿性汗腺炎診療の手引き2020』の検証」を取り上げた.周辺領域も含めた最新のエビデンスを要覧できるものとなっており,疾患別の解説とは別のアプ ローチで,有用な情報を記載している.
本書が皮膚科臨床医の先生方の座右の一冊としてお役に立てれば幸甚である.
2024 年10 月