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医学と儒学~近世東アジアの医の交流~

向 静静  著

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価格 \5,720(税込)         
発行年月 2023年05月
出版社/提供元
人文書院
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 344p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/生命科学、医学、農学/医学一般/医学一般
ISBN 9784409041246
商品コード 1036012022
NDC分類 490.21
基本件名 医学-歴史
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2023年07月1週
書評掲載誌 読売新聞 2023/08/27
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1036012022

著者紹介

向 静静(著者):【著者】向 静静(こう・せいせい)
1987年中国四川省生まれ。立命館大学助教。立命館大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。京都府立医科大学博士研究員、立命館大学立命館アジア・日本研究機構専門研究員(ポストドクトラルフェロー)を経て、現職に至る。専門は、日本思想史、日中医学交流史。主要業績に「近世日本における『傷寒論』と漢方医学――麻疹・痘瘡・腸チフス・風邪の治療から」(『立命館アジア・日本研究学術年報』3、2022年)、「香川修庵の「日用の薬」――『一本堂薬選』に注目して」(『医譚』112、2020年)。

内容

近世日本の医家は、なぜ「復古」を唱えたのか

『論語』『孟子』『周礼』などの儒教経典、伊藤仁斎や荻生徂徠の儒学、麻疹・痘瘡・腸チフスなどの疫病、東アジアの国際情勢から様々な影響を受け、絶えず変容し続けていた近世日本の医学。古方派医学の「四大家」である後藤艮山・香川修庵・山脇東洋・吉益東洞が実践した「復古」の多様性を解き明かし、彼らを近代医学的評価から解放する、近世日本医学史を再定位する意欲作。

儒学思想に気を配りながら、古方派医家らの思想の展開を分析していく作業は、これまでの医学史研究が決して得意としてこなかった領域といえる。……その理由はかつての近世日本医学史研究が、何より医学の近代化過程に関心を集中させ、近代西洋医学を軸にして当時の医家を検討してきたことが原因である。その過程では近代化に寄与したとみられる医家やその思想に関心が集まる一方で、前近代的とみなされた儒学との関係などには、あまり関心が払われてこなかった。本書が焦点を当てる古方派は、とりわけこうした評価軸から取り上げられることが多かった医家である。吉益東洞が代表的なように、彼らの「近代的」とされた側面がクローズアップされる一方、彼らの基盤ともいうべき「復古」主義については、十分検証されない状況が長く続いていた。とはいえ、今日の視点から一見「近代的」にみえる側面が彼らにあるとしても(あるいは、それが仮に後世的評価としてある程度妥当であるとしても)、彼らは自覚的に「近代化」への道を歩んだわけではない。あくまで彼らを突き動かしたのは、それぞれが正しいと考えた「復古」主義であった。(本書より)

○目次
第一部 古法派医家の「復古」
 第一章 後藤艮山の「古道」――「日用食品」・民間治療法の提唱
 第二章 香川修庵の「自我作古」――「日用」の医学全書の成立
 第三章 山脇東洋の「述而不作」――腑分けの実施と『外台秘要方』翻刻
 第四章 吉益東洞の「古訓」とその展開――「万病一毒論」をめぐって
第二部 東アジアにおける医の交流――『傷寒論』の研究と「実用」
 第五章 明清医学と近世日本医学――越境する医家たち
 第六章 『傷寒論』研究と東アジア
 第七章 『傷寒論』の「実用」――麻疹・痘瘡・腸チフス・風邪の治療から

目次