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経済兵器~現代戦の手段としての経済制裁~

ニコラス・ミュルデル  著

三浦 元博  翻訳
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \4,950(税込)         
発行年月 2023年06月
出版社/提供元
日経BP社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 531p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/社会科学/法律/国際公法
ISBN 9784296001064
商品コード 1035836106
NDC分類 329.58
基本件名 経済制裁
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2023年07月3週
書評掲載誌 日本経済新聞 2023/07/22
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035836106

著者紹介

ニコラス・ミュルデル(著者):コーネル大学助教授(ヨーロッパ近現代史)、ミルシュタイン・ファカルティ・フェロー。歴史学専攻。オランダ生まれ。ケンブリッジ大学、コロンビア大学で学ぶ。本書は初の著作。
三浦 元博(翻訳):1950年生まれ。東京外語大学卒業後、共同通信社に入社。ワルシャワ留学を経て、ウィーン、プラハ、ボンなどに駐在。2008年から2022年まで大妻女子大学教授。著書に『東欧革命』(岩波新書)。訳書に『キューバ・ミサイル危機 上・下』(白水社)など。

内容

 
 「ロシアによる突然の、いわれのない大規模なウクライナ侵略は、侵略に対する武器としての制裁の本来の目的を今日的なものにした。二〇二二年二月以降、英米とヨーロッパ連合(EU)だけでなく、日本、韓国、台湾、シンガポールといったアジア諸国や、さらには長年の中立国、スイスを含めた三八カ国の連合による措置は、領土の保全という国際連盟の本来の目的に起源がある」(日本語版への序文より)

 経済制裁は、国際平和を乱した国への懲罰メカニズムとして、近年、多用されてきた。この経済制裁は、第一次世界大戦後の国際秩序を構築する中で誕生したものだ。当時、経済制裁は「経済兵器」とも呼ばれていた。というのも、大戦で敗者となったドイツ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国、中東などで経済制裁が多くの餓死者をもたらした生々しい記憶を伴っていたからだ。
本書は、第一次大戦後から第二次世界大戦勃発までの30年間に、どのように経済制裁が生まれ、現代のような形に発展してきたのかを英米仏の制裁主義者、国際主義者らの議論や各国の思惑を膨大な資料をもとに、気鋭の米国人歴史学者が描いたものだ。
ロシアも自国資源の石油、ガスを武器にして、中国などと連携する動きを見せるなど、ウクライナ戦争が「経済戦争」の様相も呈している中、これからの世界経済を考えるうえで必読書といえる。

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