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17世紀フランス文法家証言集<7> 形容詞

伊藤 誠宏  著

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価格 \5,060(税込)         
発行年月 2021年11月
出版社/提供元
関西大学出版部
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 10p,346p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/言語学/フランス語
ISBN 9784873547435
商品コード 1033865063
NDC分類 855
基本件名 フランス語-文法
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2021年12月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033865063

著者紹介

伊藤 誠宏(著者):関西大学名誉教授 博士(文学)
著書
『若者の感性とリスク』(共著、北大路書房、2003年)
『色彩の魔力』(共編著、明石書店、2005年)
『17世紀フランス文法家証言集― 名詞の性―』(単著、関西大学出版部、2007年)
『社会人になるまえに読むマナーの常識と知識』(単著、神戸新聞総合出版センター、2009年)
『17世紀フランス文法家証言集Ⅱ ―Vaugelas, Nouvelles remarques sur la langue françoiseをめぐって―』(単著、関西大学出版部、2011年)
『ヨーロッパ・ジェンダー文化論』(共編著、明石書店、2011年)
『17世紀フランス文法家証言集Ⅲ ― 副詞―』(単著、関西大学出版部、2013年)
『17世紀フランス文法家証言集Ⅳ ― 動詞―』(単著、関西大学出版部、2015年)
『17世紀フランス文法家証言集Ⅴ ― 前置詞―』(単著、関西大学出版部、2018年)
『17世紀フランス文法家証言集Ⅵ …

内容

 17世紀になると、フランス人の母国語に対する意識・姿勢が16世紀の人々と大きく変わった。16世紀の人々は母国語を思いのままに、自由奔放に使用したが、17世紀の人々は母国語に規律・規範を求めた。
 自由奔放な言葉使いから規律・規範を求める言葉使いへ、人々の母国語に対する対応姿勢の変化や彼等の取り組みは、17世紀のフランス語にも随所に見られる。
 例えば、Wartburgは、その例として、16世紀の自由奔放な言葉使いに取り組み、不明瞭な表現に規律・規範を設けたMalherbeの例を示している。
 本書で取り上げた形容詞でも、17世紀フランス文法家達は規律・規範を求めてさまざまな見解を主張している。
 彼等が留意し、規律・規範を求めた問題は多岐にわたる。
 形容詞の品詞としての位置づけについて、形容詞の一致、付加形用詞の位置、形容詞の比較、形容詞の女性形の作り方、形容詞の複数形の作り方、指示形容詞の古形の使用、所有形容詞の用法、若干の形容詞の特殊用法、指小語論争、等々に、17世紀フランスの文法諸家は、さまざま見解を表明している。
 例えば、形容詞の一致の問題では、後述のようにVaugelasはじめ、Th.Corneille、Andry、Académie などがDemiの一致に規律を求め、この語の不明瞭な使用の排除に努めている。
 Haaseは形容詞Demiの一致に関する17世紀フランス文法家たちの考えと、この語の17世紀における使用状況を用例に示し的確に記している。
 なお、現代フランス語では、Demiが名詞に前置される「demi- +名詞(例 demi-heure, etc.)」の場合、demiは接頭辞的使用)とみなされ、demiは不変。しかし、Demiが名詞に後置された「名詞+ et demi(例 deuxheures et demie, etc.)」の場合は、demiは先行名詞の性と一致する。ただし、数は常に単数形である。
 本書は、17世紀フランス文法家が取り組んだ形容詞の諸問題を調査対象とし、彼らの見解を収集した。とりわけ、フランス語の規律・規範に深くかかわった、OudinとVaugelasが留意し関心を示した形容詞の諸用法および形容詞の表現を主とした。
 したがって、本書は17世紀フランス文法家の形容詞に関する証言を調査・収集した資料集である。類書がとぼしい現在、このような証言資料集は17世紀フランス語解明やフランス語研究に寄与するといえる。

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