【MeL】樹は語る ―芽生え・熊棚・空飛ぶ果実―
清和 研二 著
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内容
目次
序章もの言わぬ樹々樹のきもち知らないことの無慈悲さ樹は語る生育場所ごとに──本書の構成第1章 水辺に生きるハルニレ──春楡おおらかな樹形開拓の目標美しい季節に舞ううごめく蛾の幼虫河畔の一斉林山腹に孤立する大木いつ発芽するかは親木が決める巨木は川辺になく都会にありイヌコリヤナギ──犬行李柳山間地の風景華やかな開花お母さんのがんばり瞬きする間もない種子の出現綿毛は道先案内人小さな種子でも素早く成長オニグルミ──鬼胡桃のびのびと育つ雌花の後に雄花が咲く木と、雄花の後に雌花が咲く木雌雄異株への途上か種子を散布する者たち鈍く光りはじめた箪笥第2章 明るい攪乱跡地でひたむきに生きるシラカンバ──白樺水色の空と白い幹科学的な天然林施業の第一歩受粉のために群れる風に乗って旅立つべらぼうな数の種子明るいところだけで発芽ハンディキャップの克服三つ子の魂百まで──年をとっても自転車操業ケヤマハンノキ──毛山榛の木傷口の縫合攪乱地を渡り歩く茶花温度センサーが発芽を後押し根粒菌紅葉する気なし川を豊かに第3章 老熟した森で生きるイタヤカエデ──板屋楓春先に勝負を賭ける秋の光も利用する一斉に葉を開く小さい子から順番に花を咲かせてから葉を開く花の秘密臨機応変たくましい老木ウワミズザクラ──上溝桜滑稽な花鳥に種子を運んでもらうジャンゼン─ コンネル仮説に気づく親の下では生き延びることができない親から離れてはじめて大きくなれる温帯林も熱帯林と同じ仕組み稚樹の平たい樹冠春出した枝を秋に落とす「もったいない」は森の常識この世の春諦観──森の摂理にあえて逆らわない春の山に浮き立つトチノキ──栃の木巨木の群れ巨大な種子三尺玉の花火かなりの頑固者──同じ振る舞いを一生続ける老木の時間奥山の味ミズキ──水木身近な木湧き出た白い雲赤から黒に熟す果実樹種の置き換わり──多種共存の始まり局所適応真上から降ってくる恐ろしい病気親から離れてギャップを待つ真っ先にスギ林に進入──種多様性回復の先鋒原生林を思い浮かべるミズナラ──水楢熊がへし折った枝ドングリは夜運ばれるドングリにやさしいネズミとそうでないネズミドングリが大きくなったワケ株立ちと原発といざというときのために根に溜めこむ異論──ギャップ種か北の極相種第4章 森の中の隙間で育つホオノキ──朴の木100年寝過ごさないように香り渡る大輪の花茜色と朱色の果実元気に萌芽ツルアジサイと友達クリ──栗尾根に集う熊棚──熊を留め置く白っぽい木蜂も人も喜ぶ遅い開花花粉を選ぶ昆虫たちマルハナバチのおかげネズミを使って「ギャップ」に堅果を運ばせる楽天家のクリと忍耐のミズナラなぜ、野生種のクリは栽培種より小さいのだろう牛小屋の柱巨木のやさしさおわりに参考文献索引