【MeL】家族と社会 (臨床心理学大系 4)
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内容
目次
刊行のことば 第Ⅰ章 総論:家族の心理臨床 馬場禮子 1節 家族の心理臨床 1.定義 2.家族をどうとらえるか 3.家族の機能 4.家族機能の現代的特徴 2節 人格形成と家族 1.精神分析的人格理論 2.母子関係の研究 3.父子関係と父性の研究 4.家族全体との相互作用の研究 5.個人と家族のjライフサイクル 3節 家族の心理療法 1.家族面接 2.家族療法 4節 家族の心理査定 1.査定面接 2.家族交流の直接観察 3.心理検査 5節 家族の健康と病理 1.家族の健康 2.家族の病理 おわりに 第Ⅱ章 家族臨床心理の理論モデル 岡堂哲雄 1節 家族研究の系譜 2節 家族臨床研究における理詰モデル ―家族心理学の成立過程 3節 精神力動詮と行動の場の理論 4節 2者関係論モデルとそれへの批判 1.レヴィの「母親の過保護」の概念 2.フロム=ライヒマンの「精神分裂病源的母親」の概念 3.ベイトソンの「ダブル・ハインド(2重拘束性)」概念 4.ジャクソンの「家族ホメオスタシス」の概念 5.アッカーマンの「相互作用の単位としての家族」の概念 5節 家族関係に関する一般システム理論モデル 1.ボウエンの家族システム理論モデル 2.ヘイリーの戦略的理論モデル 3.サティアのヒューマニスティック・モデルと「家族成長」の概念 4.マグレガーの「家族の自己回復過程」の概念 5.ワツラウィックらの「変化」の理論モデル 6.ミニューチンの構造重視モデルと「構造変容」の概念 7.パラツォリらのシステミック・モデルと「循環性」の概念 6節 家族臨床心理に関する統合的モデル 1.オルソンの家族システム円環複合モデルの概念 2.ドハーティの家族FIROモデル 要約 第Ⅲ章 家族の病理―その心理力動 第Ⅲ-1章 夫婦 滝口俊子 はじめに 1節 夫婦関係の観点 2節 夫婦関係の病理 1.性別同一性の障害 2.分裂した夫婦・歪んだ夫婦 3.比較家族研究に見る夫婦関係 4.夫婦間の相互適応性の困難 3節 家族ライフサイクルと夫婦 1.新しい家族の誕生 2.子どもをもつ夫婦 3.青春期の子どもをもつ夫婦 4.人生の晩年を迎える夫婦 4節 結婚と個性化 第Ⅲ-2章 親子 小川捷之・穂苅千恵 はじめに 1節 ある臨床場面でのエピソード 2節 傷つき 3節 内的崩壊感 1.根源的不安 2.想像を絶する不安 4節 自我の原初的防衛 1.分裂 2.対象に対する過剰な投影 3.情緒の統合的体験能力の欠如 4.自己愛 5節 侵入と操作 1.試し行為 2.侵入と支配 3.対象に引き起こされる、強い感情体験 4.対象の傷つき 6節 母性と父性 おわりに 第Ⅲ-3章 病者をもつ家族 下坂幸三・中村伸一 はじめに 1節 病者をもつ家族への応対の基本 2節 病者をもつ家族の心理カ動 1.動態モデル―モルフォスターシスとモルフォジェネーシス 2.構造モデル 3.相互投影モデル 第Ⅳ章 家族への治療的アプローチ 第Ⅳ-1章 構造派の家族療法の諸技法 鈴木浩二 はじめに 1節 構造派の家族療法の基礎理論 1.構造派家族療法の治療目標 2.構造派の家族療法の治療構造と治療者の役割 2節 構造派家族療法の諸技法 1.交流を生み出す諸技法 2.交流に合流するための諸技法 3.交流を変えさせるための諸技法 3節 事例 1.事例の概要 2.面接状況とそこで用いられた技法 まとめ 第Ⅳ-2章 システム論的アプローチ 亀口憲治 1節 システム論的アプローチの原理 1.問題の理解 2.変化の理論 2節 戦略派の治療技法 1.パラドックス 2.リフレーミンク 3.メタファー 3節 治療の実際 1.初回面接 2.治療的指示の与え方 3.事例 4節 戦略派の問題点 1.戦略派の倫理 2.戦略派の人間性 第Ⅳ-3章 精神力動的アプローチ 松田孝治・安村直己 はじめに 1節 精神力動的治療とチームの構造 1.治療チームの構造 2.チーム治療の経験と家族療法の問題点 2節 精神力動的治療計画と家族療法 1.診断・評価と三代分析 2.患者家族のための教育プログラムと治療への導入 3.三代分析での三角関係についての若干の検討 4.各技法と家族療法の組み合せ 5.喪失と家族療法 3節 チーム治療における家族療法の実際 4節 精神力動学的アプローチ ―その作集と地域特性 おわりに 第Ⅴ章 家族・障害者の社会的権利と援助 佐藤忠司 1節 家族援助の目標 2節 存在権と家族援助 1.家族援助とノーマライゼーション 2.社会復帰・社会参加と家族 3.存在権と不治への援助 3節 自己決定権と家族の代行 1.インフォームド・コンセントの基礎理念 2.未成年者に対するインフォームド・コンセントと症状回復 3.成年者に対するインフォームド・コンセントの代行とその停止 4節 援助要請の諸相と家族 1.社会からの要請について 2.障害の発見と家族援助 3.急性障害の改善と家族援助 4.社会参加と家族援助 5.社会復帰と家族援助 6.障害の予防への援助 5節 援助プロフェッショナルとしての臨床心理士 1.援助心性の発生と中断 2.援助心性の心理臨床的再生と現代社会 3.臨床心理士の援助態度 4.臨床心理士のミニマム・エッセンシャル 第Ⅵ章 家族の問題と信仰治療 児玉憲一 1節 家族が信仰治療と出会うとき 2節 信仰治療と精神科医・人類学者 1.信仰治療に関する社会精神医学的研究 2.信仰治療に関する人類学的研究 3節 信仰治療と心理療法 1.心理療法家にとっての信仰治療の理論的な意味 2.心理療法家にとっての信仰治療の臨床的な意味 4節 心理療法と信仰治療を併用するクライエント 1.経文を飲んで大学受験した青年の事例 2.「拝み屋」に依存し家族を支配した母親 3.信仰治療に熱心な息子とそれを受容できない母親の事例 まとめ 特論 離婚の心理 瓜生 武 1節 離婚の心理 2節 離婚を思案し始めるとき 1.離婚原因と離婚思案 2.異性関係が原因のとき 3.経済破綻が原因のとき 4.生活習慣や意見の対立による不和を理由とするとき 5.性の異常が原因のとき 3節 離婚葛藤と準備的行動 1.離婚抑制因子との葛藤 2.自立と離別の準備 3.夫婦間の試し合い 4節 離婚協議から離婚合意へ 1.離婚表明を受ける相手の心理 2.有責者からの離婚請求 3.離婚についての意見の対立 4.子の監護の協議 5.離婚給付の心理的意味 5節 離婚を受け入れられない人 1.離婚拒否理由 2.現実的離婚拒否理由 3.「意地」による離婚拒否 4.「未練」による離婚拒否 5.離婚後の紛争 特集2 日本人の家族観 石川 元 はじめに 1節 米国生活で感じた日本との文化差 2節 米国では家庭崩壊が進んでいるとことさら強調する家族観 3節 日本人の家族観―時代を経て変わらないもの 特集3 障害者(児)をもつ家族 大島啓利・鈴木康之 1節 障害者(児)をもつ家族に対するアプローチの仕方 2節 障害者をもつ家族の苦悩 3節 発病に伴う家族の反応とその変化 4節 障害者(児)受容・苦悩克服のプロセス 1.親による障害児受容のプロセス 2.精神分裂病患者をもつ家族の患者受容プロセス 人名・事項索引 執筆者紹介