KNOWLEDGE WORKER ナレッジワーカー



丸善のおすすめ度

アカデミアが挑むSDGs~関西大学の多様な取り組み~

前田 裕, 芝井 敬司, 大津留 (北川) 智恵子, 良永 康平, 西山 真司, 吉田 信介, 桑名 謹三, 池田 勝彦, 大洞 康嗣, 瀬島 吉裕, 福 康二郎, 後藤 健太, 村川 治彦, 安田 忠典, 小井川 広志, 高橋 智幸  著

KANDAI for SDGs推進プロジェクト  編
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \1,980(税込)         
発行年月 2022年03月
出版社/提供元
関西大学出版部
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 8p,271p
大きさ 21cm
ジャンル 和書/社会科学/教育学/就学前教育・学校教育・生涯教育・家庭教育
ISBN 9784873547480
商品コード 1034371353
NDC分類 377.28
基本件名 関西大学
本の性格 実務向け
新刊案内掲載月 2022年04月5週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034371353

著者紹介

前田 裕(著者):関西大学長。工学博士。
専門は同時摂動最適化手法を中心とした、ニューラルネットワークの学習・ハードウェア化とその応用、ロボット制御に関する研究。
芝井 敬司(著者):学校法人関西大学理事長。博士(文学)。
専門は西洋近現代の史学史で、18世紀のモンテスキューやギボンに関する研究を行う。
大津留 (北川) 智恵子(著者):関西大学法学部教授。国際学修士/MA。
専門は西洋近現代の史学史で、18世紀のモンテスキューやギボンに関する研究を行う。
良永 康平(著者):関西大学経済学部教授。博士(経済学)。
専門は経済統計学(国民経済計算論、産業連関論)。
西山 真司(著者):関西大学政策創造学部准教授。博士(法学)。
専門は政治学、政治理論、ジェンダー論。
吉田 信介(著者):関西大学外国語学部教授。
専門はSDGs国際教育活動に必要なキー・コンピテンシーの研究、ICT国際学生交流プロジェクトにおける英語交渉力、多文化共生力、対話力、人間力についての実証研究。
桑名 謹三(著者):関西大学社会安全学部准教授、博士(環境学)。
専門は基金、保証証券、目的税などを含む広義の保険を用いた環境政策・公共政策の可能性の分析・評価とそれらを用いた政策の提言。
池田 勝彦(著者):関西大学化学生命工学部教授。博士(工学)。
専門は環境材料学(金属材料)、チタン(Ti)材料を安価に製造するための合金設計を行い、福祉用具への利用を目指している。
大洞 康嗣(著者):関西大学化学生命工学部教授。博士(工学)。
専門は有機金属化学、触媒化学で、有機金属化合物の特性を活かした環境調和型フィードストックの触媒変換反応開発ならびにナノ制御空間を有する触媒種開発。
瀬島 吉裕(著者):関西大学総合情報学部准教授。博士(工学)。
専門はヒューマンインタフェースによる人を惹き込むコミュニケーション技術の研究開発。
福 康二郎(著者):関西大学環境都市工学部准教授授。博士(工学)。
専門は(光)触媒・電気化学。
後藤 健太(著者):関西大学経済学部教授。修士(公共政策・国際開発)、博士(地域研究)。
専門は経済発展論、グローバル・バリューチェーン、インフォーマル経済、持続可能な開発目標(SDGs)。
村川 治彦(著者):関西大学人間健康学部教授。Ph.D.(Integral Studies)。
専門は身体教育学、死生観の教育、身体技法。
安田 忠典(著者):関西大学人間健康学部教授。体育学修士、文学修士。
専門は体育学、思想史。南方熊楠研究をライフワークとする一方で、体験学習法を用いて堺市や和歌山県田辺市をフィールドに学生たちと様々な連携活動を開発する。
小井川 広志(著者):関西大学商学部教授。博士(経済学)、D.Phil(Development Studies)。
専門分野は経済発展論、アジア経済論、東南アジア地域研究など。
高橋 智幸(著者):関西大学副学長・社会安全学部教授。博士(工学)。
専門は津波や洪水などの水災害、再生可能エネルギーやサンゴ礁再生などの水に関連した環境問題。
KANDAI for SDGs推進プロジェクト(編者):まえがき 前田裕
序章 SDGsと私たち関西大学 芝井敬司
第1部 関西大学とSDGs
まえがき 前田 裕
序 章 SDGsと私たち関西大学 芝井敬司
第1章 キャンパスライフのSDGs大津留(北川)智恵子
第2章 SDGsと日本のフードシステム 良永康平
第3章 ジェンダーから考えるSDGs 西山真司
第4章 SDGsと国際ボランティア 吉田信介 
第5章 SDGsとファッション 桑名謹三
第6章 SDGsの視点からの介護・福祉機器用具用金属材料 池田勝彦
第2部 関西大学が取り組んでいるSDGsの事例
第7章 シングルナノサイズ金属微粒子を用いた触媒変換プロセスにおけるレアメタルリソースイノベーション 大洞康嗣
第8章 かかわりEye 幸せを分かち合うコミュニケーションテクノロジー 瀬島吉裕
第9章 光エネルギーを化学エネルギーに変換するための人工光合成(光触媒)技術 福康二郎
第10章 SDGsの実装…

内容

 COVID-19が世界を席巻し、多くの犠牲者を出し続けており、一刻も早い、その終息が求められている。治療法やワクチンが急速に開発されたと同時に、私たちの社会は、このように脆いものであることを思い知らされた。中でも、先進国と開発途上国との間での状況の違いは深刻であろう。危機に対する社会の脆弱性は、世界社会の格差と結びついており、先進国にとっても、開発途上国にとっても、いかに重要であるかを物語っている。継続性のある、平和な世界社会を作ることは、つぎに来る危機への備えとして、これからの人類の存続にとって必要不可欠なことだ。
 一方、大学におけるSDGs の位置づけはどうであろう。若い世代の人たちが、いまの世界の現状とその課題を知り、自分たちの手でどのような社会を作っていくのかを考える場が大学でもある。その学びの過程でSDGs の意義と意味を考えながら、それぞれの専門の勉強を行う。関西大学はいままで、多くの地方自治体や企業との連携活動を推進してきた。
 本書はSDGs の課題解決に対する関西大学ならではの取り組みを紹介する。
SDGsのひとつひとつの目標達成が展開するにつれて、いまの世界社会のもうひとつの重要な課題が見えてくるように思う。それは、われわれ人類の精神の進化、進歩についての課題である。
 21世紀に入り、地球という有限の環境の中での人類の継続性、ここに暮らす、すべての生物の将来を考える必要があることにわれわれは気づいた。
 SDGsの17のゴールはそれを達成することもさることながら、そのような目標を設定することができた人類の精神性の進歩という意味での重要性を示し、これを越えることができるのかという問題を提起しているように思う。
 例えば、パンデミックの中で限られたワクチンで誰を救うのかという問題に直面したとき、政治や経済、文化、民族、宗教の壁を越えて、適切な配分を行うことができるのか。
科学技術に代表される物質的な意味でのDとともに、精神的な進歩、すべての人類が心穏やかに過ごせる、心の有り様を目指すDが求められているように思えてならない。
 VUCA( Volatility ・ Uncertainty ・ Complexity ・ Ambiguity、未来の予測が困難な状況の意)の時代に、これからの人生における2つのDが必要である。
 いま、ポストSDGsも視野に入れた、世界社会全体の持続的発展と、ひとりひとりの精神性の進化が問われている。
 本書がSDGs に対する読者の理解の一助になることを願う。

目次