内容
私たちの暮らす社会には様々なリスクが潜在する。この多様なリスクは独立ではなく互いに関係しあっており、1つのリスクを小さくすることで別のリスクを大きくすることもある。つまり、リスクを完全にゼロにすることは難しい。私たちに求められるのはゼロリスクではなく、社会や組織目的に応じてどのリスクをどのレベルで受け入れ全体としてのバランスをとるかという「リスク共生」の考え方である。本書では、私たちの社会と暮らしに潜む多様なリスクを研究し、リスクをいかに効果的・効率的に小さく抑え、その心理的ハードルを下げ、社会システムやインフラ、セキュリティ、コミュニケーションなどを構築するか。「リスク共生」によって実現するより良い社会や暮らし、生活の質の向上をはかろうとする取り組み・手法を、具体的な開発事例をあげて簡潔に解説する。