内容
江戸時代の市井の人々の色と欲を活写した浮世草子の傑作三編を収録。
井原西鶴以降、主に上方を中心に花開いた浮世草子の傑作三編を収録しました。『好色敗毒散(こうしょくはいどくさん)』は、遊郭などを舞台にしたエスプリの利いた好色短編集。『野白内証鑑(やはくないしょうかがみ)』は、銭占いを趣向に、少年俳優や私娼の男色・女色二道の裏面を赤裸々に暴いています。また、『浮世親仁形気(うきよおやじかたぎ)』は、老人特有のケチ、好色、頑固な実態をユーモアたっぷりに綴っています。いずれも、江戸時代の市井の人々の色と欲の生態を活写した庶民文学の代表作で、現代にも通じる庶民の愚かさや哀しさが読みどころです。