内容
輪廻転生と夢見が紡ぐ、ファンタジックな王朝物語。
中国と日本を舞台に、夢のお告げと生まれ変わりをモチーフにした、不思議な王朝物語『浜松中納言物語』が、詳細な頭注と初めての全訳付きで登場。三島由紀夫が学習院時代に、恩師松尾聰博士からこの物語の講義を受け、それに触発されて『豊饒の海』を執筆するに至ったことはつとに知られています。 主人公中納言は、亡き父が唐土の皇子に転生したとの夢告げを得て、渡唐する。かの地で皇子の母后と恋に落ち、一子を儲けて帰国、吉野で巡り逢った唐后の義妹に思いを寄せるが式部卿宮に奪われ、やがて彼女の胎内には唐后の生まれ変わりが宿る――。 平安後期に生まれた、荒唐無稽なファンタジーをぜひご一読ください。