少年犯罪と向きあう(岩波新書 新赤版)
石井 小夜子 著
内容
目次
はじめに 第Ⅰ章 ゆがめられる少年像 一 犯罪に追いこまれる子どもたち 二 少年犯罪の「増加」「凶悪化」「低年齢化」は本当か 第Ⅱ章 孤立無援の取調べ 一 生徒同士のけんかでも逮捕・拘束 二 一人で捜査官に立ち向かう 三 ずさんな捜査と先入見に満ちた取調べ 第Ⅲ章 家庭裁判所で──知られていない成人の裁判との違い── 一 少年法成立の理念 二 立直りを決意した族頭 三 どのような処遇があるか 四 弁護人がつかない少年審判 第Ⅳ章 少年法が変わった 一 厳罰化の論理──犯罪少年はモンスター 二 強調された「規範意識の強化」 三 検察官関与・合議制の問題 四 厳罰化に効果はあるのか 五 義務教育年齢の子どもが刑事犯になる 六 「五年後の見直し」付則条項 第Ⅴ章 被害者の苦しみと望み 一 被害者の苦しみ 二 いい加減な捜査 三 記録が開示されない 四 不十分な制度 五 「更生こそ償い」と「厳罰に、殺してやりたい」の間 第Ⅵ章 「加害者の親」という立場 一 非難の集中砲火 二 誰にでもある「家庭的背景」 三 共に考える人間がいれば親も変わる 第Ⅶ章 共生の可能性をさぐる 一 被害者への支援 二 「修復的司法」の可能性──被害の回復と和解 三 弁護人制度の導入 四 「立直り」のための制度の充実を 第Ⅷ章 少年を犯罪に走らせないために 一 子どもの「信号」に向き合う 二 手をかける制度を 三 学校から「いじめ」をなくす 四 虐待・暴力をやめる 五 ありのままの子どもを受け入れる、子どもの意見を聴く 六 関係性の修復を求めて 参考文献