内容
奇想天外、波瀾万丈。女の物語の傑作二篇を収録!
数ある古典文学作品の中でも、とくにその奇異な設定で人気の高い『とりかへばや物語』と、清少納言や紫式部も読んでいた継子物語の代表作『住吉物語』をお届けします。 母を亡くし、父と継母の住む邸に引き取られた、美しき姫君。姫君の幸せを邪魔したい継母は策略をめぐらして・・・。平安時代に原作が生まれ、改作を繰り返しながら奈良絵本にまで伝えられていった『住吉物語』。これぞ継子苛め!という世界をご堪能ください。本文挿絵には、小社所蔵『住吉物語絵巻』を収載しました。 腕白なことから男として育てられた女君と、女っぽいことから女として育てられた男君が、さまざまな体験を通して、もとの性へと戻っていく悲喜劇を描くのが『とりかへばや物語』です。倒錯的な趣のなかに、女性として生きることの不自由さやせつなさがあふれ、物語の本物のおもしろさが味わえる傑作です。