内容
ミカドの国を跋扈する映像メディアの正体
戦後、マッカーサーは自らの尊大な姿を見せることで日本を支配し、逆に昭和天皇はまったく無防備なまま登場、それが日本人のイメージを決定づけた。力道山はアメリカでただ強くなるだけではなく、テレビを通して強く見せることを学んで帰国し、熱狂的なブームを引き起こした。演出があるのがわかっていてもなお、映像の持つ力は強い。それをいち早く察知し利用しようと行動を起こした人々が結果的に"第4の権力"を支配、莫大な利権を獲得していく。正力松太郎や田中角栄を「テレビ」という観点から捉えることで、新しい「日本の近代」もみえてくる。1990年代に上梓された名著に、その後のメディアの変遷を追った増補版(約80枚)を加えた完全版。