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熱電変換システム技術総覧 新版 

梶川 武信, 佐野 精二郎, 守本 純  著

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価格 \47,300(税込)         
発行年月 2004年07月
出版社/提供元
リアライズ理工センター
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 338,5p
大きさ 30
ジャンル 和書
ISBN 9784898080498
商品コード 0104067846
NDC分類 427.4
基本件名 熱電気
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=0104067846

内容

 地球温暖化対策の一環として各種排熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電発電は,以前からその重要性は強く認識されていました。それが今回,COP3で約束している二酸化炭素削減計画の中で革新的温暖化対策技術開発努力により2%の削減という「温暖化大綱」の中の一翼をわずかな貢献ながら荷うことが認定されたのです。2002年度から「高効率熱電変換システムの開発事業」が経済産業省と新エネルギー産業開発機構の主導の下に5ヶ年計画として開始されています。2010年度には原油換算7万5千kl/年,二酸化炭素発生制御として約10万t/年程度の貢献が目標です。たとえ限定された用途であっても我々の生活・経済活動の中で使われるということは,その後の普及と熱電発電産業の創成・発展にとって大きい意味を持ちます。当面は産業用排熱,民生用排熱が適用先ですが,運輸用排熱に適用が拡がれば,地球温暖化対策の効果は大きいものになります。この先5〜10年は,熱電発電技術にとって重要な期間となるでしょう。 一方熱電冷却技術も,大きな変動を経験しました。光情報産業の発展を見越したレーザタイオード冷却などの局所精密制御分野では急激に市場が立ち上がり,情報産業不況では急激な市場縮少がありました。これによって高信頼性デバイス技術が蓄積され,また自動化技術の進歩は技術レベル向上に大きく寄与しました。また,半導体産業への導入は産業自体の力強い成長と共に着実に浸透し,半導体プロセスの基盤技術としての地位はさらに強化されています。今後は,民生用,バイオ産業,レジャー産業にも受け入れられていくことが期待されます。 さらに,ほんの萌芽でしかなかったマイクロ熱電技術はこの10年でMEMSやナノテクノロジの著しい立ち上がりに呼応して,将来楽しみな分野になります。 これらの状況における最大の要因は,熱電変換材料技術の飛躍的進歩でした。この10年で「経験的制約とされていた無次元性能指数ZTは1を超えない」などと主張する人はいなくなりました。現実にZTが1を超える実験値が複数の研究機関から出され,素子性能からもそれを裏付けられています。使用材料も使用環境も特殊なものを要求しなくても作成可能であることも実証されています。 この企画は,旧版の思想を受け継ぎ,「総覧」であることに意義の重要をおいています。旧版の発行から約10年,熱電変換技術の進歩によるシステムという側面を強く意識して眺めるには,絶好のタイミングです。 “熱あるところ熱電あり”を念頭に本文へとおすすみ下さい。(まえがきより)