「質の時代」のシステム改革~良い市場とは何か?~
矢野 誠 著
内容
目次
はしがき 序 章 21世紀は高質な市場を求めている 1 市場の質とは 2 過去の産業革命はいったん市場の質を大きく低下させた 3 「質の時代」を築くためには多様性の内部化が必要である 4 健全で活気のある経済の創出にはシステムの転換を必要とする 第1章 市場が現代経済を支える 1 市場とは 2 競争市場のスペクトラム 3 市場が何を達成するのか 第2章 利益追求のための競争排除が市場の質を下げる 1 20世紀初頭の映画産業はハリウッドの独占が席捲した 2 一山売りによって売り手は交換の利益を独占できる 3 映画のブロック・ブッキング制度が市場の質を下げた 第3章 競争排除が労働市場の質を下げた 1 一山買いの経済分析 2 急速な生産性の向上が労働の一山買いを可能にした 3 終身雇用制度が労働市場の高質化を阻んできた 第4章 高質な競争と情報が資本市場を支える 1 資本とは 2 資本市場は草創期の企業に銀行よりも安い長期資金を提供する 3 競争が銀行市場やベンチャー・キャピタル市場を高質化する 4 高質な情報の担保なしには株式市場や社債市場は充実しない 5 メインバンク制度への過信が資本市場の高質化を妨げた 第5章 適切なルールが高質な市場を支える 1 市場を守る基本原則は四つにまとめられる 2 アメリカは市場を守るルールの形成に100年の歴史を持つ 3 市場を守るために必要なルールはどの世界でも共通である 終 章 高質な市場が育つシステムを創ろう 1 「質の時代」の実現には高質な競争や情報や製品を必要とする 2 わが国には「質の時代」を支える高質な市場が育っていない 3 「高質な市場が育つシステム」をどのようにして形成するか 4 最終的に高質な市場を支えるのは我々一人一人である おわりに 注 索引